アメリカではポピュラーになっているバースプラン。赤ちゃんを出産するにあたって、どのようにしたいか自分の希望や計画を書き出し、医師や助産師に伝えることをいいます。近年日本でも取り入れる人が増えてきています。必ずしもプランを立てなければいけないわけではありませんが、希望を紙に書き出してみることで、妊婦さん自身の出産への心の準備が整うことも魅力のひとつ。

今回は中でも一番大切な「出産方法」について詳しくご紹介しますので、ご自分の希望をまとめるうえでの参考にしてみてください。

出産へのイメージを膨らませよう

10ヶ月間の妊娠生活を経て、いよいよ赤ちゃんと対面する大事な場面。できるだけ出産へのイメージを描いておくことで、分娩に対する不安を少しでも減らし心を整えておきましょう。分娩方法には、分娩する場所や分娩時の体勢、呼吸法や麻酔などの薬の使用の有無など、さまざまな種類があります。

近年では産院からバースプランの提出を求められることもあるそうですが、そんな急にはポンポンと書き出せないという方も。実際にバースプランをたてた妊婦さんは分娩についてどんなことを希望したのでしょうか?以下にいくつか例を挙げてみました。

  • できるだけ自然なお産をしたいので、薬等の使用は控えめにしたい。
  • 出産のときの姿勢は、両手両膝をつくスタイルがいい。
  • 水中出産をしてみたい。
  • 痛みに耐えられない場合は、帝王切開にしてほしい。
  • 陣痛促進剤を使わず、通常の分娩台での出産を希望。

人によって性格がちがうように、希望する分娩のスタイルもさまざまです。また、希望の分娩方法に対応できる設備や機器などを備えているかは産院によっても異なりますので、産院を選ぶ際に問い合わせてみましょう。以下で、さらに詳しく分娩方法の種類をみていきます。

赤ちゃんの産み方「経膣分娩」と「帝王切開」

経膣分娩

産道を通って膣から赤ちゃんが生まれてくる一般的な分娩方法です。

帝王切開

経膣分娩ではお母さんや赤ちゃんに危険をもたらすと判断された時、お母さんのお腹を切開し子宮から赤ちゃんを直接取り出す方法です。出産の直前に手術が決まる「緊急帝王切開」と、妊娠中の健診で経膣分娩では危険と判断され、事前に帝王切開を計画して行う「予定(選択)帝王切開」というがあります。

プランを立てていても実際の出産では、お母さんと赤ちゃんを守るために帝王切開になる可能性があるということも理解しておくことが大切です。

※関連記事:帝王切開で出産経験があると、今後の出産回数に限度があるの?

分娩する場所もさまざま

さまざまな出産場所の中からいくつかご紹介します。

助産院

産婦人科との提携のもと、助産師が開業する施設。家庭的でリラックスした雰囲気の中で出産できます。

自宅出産

自宅に助産師に来てもらい、家族に見守られて出産します。助産院、自宅出産どちらも妊娠経過に問題がない場合に限られ、お母さんが健康であることが前提です。希望する場合は、リスクなどについてもよく調べ、助産師や健診時の医師との相談は入念に行う必要があります。

LDR

産院の中の施設で、陣痛(Labor)・分娩(Delivery)・産後の回復(Recovery)までを、同一の部屋で行うシステムを備えています。通常別々になっている各部屋がひとつになっているので、陣痛室から分娩室に移動する必要がなく、リラックスした状態で分娩が行えます。このシステムが整っている産院はまだ少なく、費用も通常よりかかります。

分娩時の姿勢

水中分娩、フリースタイル分娩など、いろいろな方法を希望する人が増えてきています。

普通分娩

一般的な分娩姿勢。分娩台の上で、仰向けに寝た姿勢での出産です。

座位分娩

上体を起こし、座った姿勢での出産方法です。背もたれのついた椅子のような分娩台で行います。
お腹に力が入りやすく、重力に逆らわないので胎児が下がりやすいなどのメリットがあります。

フリースタイル分娩

お母さんに無理のない姿勢で出産することができます。両手両膝をついたり、産み綱という天井から下げられた綱につかまるなど、自分の力みやすい姿勢を選びます。助産院ではほとんどこの方法がとられますが、病院で取り入れているところはまだ少ないようです。

※関連記事:フリースタイル分娩で出産を考える

水中分娩

体温と同じくらいの温水を小さなプールにはり、羊水に近づくよう自然塩を溶かしたなかで出産する方法です。近年芸能人でもこの方法を取り入れる方が増えていますね。あたたかい温水で心身がリラックスでき、陣痛を和らげる効果もあります。

呼吸法の種類

産院や市区町村で行われている母親学級などで、事前にトレーニングできます。

ラマーズ法

フランスのラマーズ医師によって広められた分娩方法。誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?呼吸法や弛緩法を取り入れて体と心の緊張をやわらげ、陣痛の傷みを緩和させることが目的です。事前に出産のプロセスや呼吸法を学び、前向きな姿勢で分娩にのぞむことができます。

ソフロロジー

フランスで始まった、日本では新しい出産方法。イメージトレーニングとヨガをもとにしたエクササイズで心と体を安定させ、出産に対する不安や恐怖を取り除き、リラックスして出産にのぞむ方法です。

薬やアロマセラピー、自分に合った方法を

無痛分娩(和痛分娩)

分娩にともなう痛みを、麻酔によって和らげながら行う出産方法です。全くの無痛というわけではなく、麻酔の量を調節しながら痛みを緩和させていきます。局所麻酔なので、赤ちゃんが産道を通る感覚も得られます。痛みに対して強い恐怖心のある人や、心臓への負担を避けなければならない人に用いられます。

関連記事:自分に合った出産が一番!無痛分娩のメリット・デメリットを知ろう

誘発分娩

陣痛促進剤を用いて分娩を誘発します。こちらは医師の判断で、出産予定日を大幅に過ぎている場合など、お母さんと赤ちゃんが危険な状態にあるときに行われます。

アロマセラピー分娩

アロマセラピーを取り入れ、香りの効果で分娩の痛みを緩和する方法です。アロマセラピストが分娩室に入り、香りのセラピーやマッサージを施しながらの分娩になります。

音楽を聴きながら

ヒーリングミュージックなど、自分がリラックスできる音楽をかけながらの分娩です。CDの持ち込みが可能な産院でしたら、胎教音楽やクラシックなどをBGMにすると不安が和らぎます。

終わりに

出産方法に関するバースプランの参考に、さまざまな分娩の種類などをご紹介してきました。いろいろなスタイルが広がる一方で、まだ対応できる産院が少ないものもあります。産院を選ぶ際にはよく調べ、事前に問い合わせるようにしましょう

多岐にわたる出産方法ですが、どれが良い、悪いということはありません。その子が生まれてくるのは一生に一度だけ。自分や家族、医師も納得のうえで、あなたに一番合った出産方法を選びましょう。