子育てが初めてのママにとって、いつが離乳食を始めるタイミングとしてベストなのかは悩むところです。

ほとんどの育児本では生後5カ月からと記載されてはいるものの、赤ちゃんの成長は個々で大きく違ってくるため、マニュアル通りに進むことはなかなかありません。

ましてや「よその子はもう始めているから」と気持ちばかりが焦って、早すぎる離乳食の開始をすることは、赤ちゃんにとってデメリットに繋がる可能性があるのです。

そこで今日は、離乳食について主な目的や、赤ちゃんの心と身体の成長に合わせた開始日の推奨時期についてご紹介したいと思います。

離乳食の目的とは

①栄養素の補給

生後間もない赤ちゃんは内臓器官の機能が未発達であるため、母乳やミルクなどの消化吸収の良い液体しか摂れません。

しかし、赤ちゃんの成長と共に内臓器官の消化能力は上がり、動きも活発になってくるため、一日に必要となる栄養素やエネルギーは徐々に増えていきます。

この必要とされるエネルギーを母乳やミルクだけで摂るには限界があるため、それ以外から栄養素を補うために必要なのが、離乳食の存在なのです。

②咀しゃく機能の促進

固いものをしっかり噛んで食べられるようにすることは、離乳食の大きな目的です。

噛むことは、顎や顔の筋肉の発達を促し、歯並びや舌の発達にも影響を与えるだけでなく、脳細胞も刺激されるため、脳の発達を促してくれる作用が働きます。

脳の発達は、赤ちゃんの味覚の幅を広げてくれるため、食べる楽しみを覚えるなどの自我の発達にもつながっていきます。

早すぎる離乳食の開始にWHOが警鐘

離乳食とは、文字通り「乳から離れる食事」のことを指します。

これは、赤ちゃんが母乳やミルク以外を飲んだり噛んだりする練習のための食事であり、赤ちゃんが成長していく上で大変重要な食経験となっています。

離乳食を始める時期としては、一般的に生後5カ月頃が目安であると言われていますが、いろいろな情報が飛び交う昨今では情報過多の影響もあってか、早期に離乳食を開始する家庭が増えていることも分かっています。

ですが、この「早すぎる離乳食」が今、厚労省やWHOと言った機関から問題視される事態となっており、これには離乳食を早めたことと子供のアレルギーが密接な関係にあると、最近の研究で分かってきたことが大きな理由になっています。

専門家による研究によると、赤ちゃんの消化器官が未発達な時期に母乳(ミルク)以外に食べて吸収したものを、赤ちゃんの身体や脳が異物と判断することがあり、それによってアレルギー反応を起こす可能性があるとの結果が出ています。

特に、アレルゲンのある食材に対しては、呼吸困難や痙攣などの強いアレルギー反応が出ることがあるため、厚労省では赤ちゃんの消化器官の発達を待ってから離乳食をスタートさせるのが安全であるとし、「離乳食の開始前に果汁やスープを与える必要はない」との指針も発表されています。

また、WHOでは「何か特別な理由が無い限り、生後半年までは完全母乳(ミルク)育児を、半年以降からは母乳(ミルク)と並行しながら離乳食を与える」ことが推奨されています。

離乳食を生後半年以降から勧める理由についてWHOは、「赤ちゃんの成長に必要な栄養素が、母乳(ミルク)だけでは補えなくなるのが生後半年からである」ことや、赤ちゃんの身体の発達としても「生後半年頃には母乳(ミルク)以外の食べ物を受け入れるだけの身体の準備が整っている」ことも理由となっています。

上記の理由も踏まえ、WHOでは、「生後半年までの乳児は母乳(ミルク)以外は、固形はおろか液体(水も含む)も必要は無い」との見解を述べており、その後は2歳頃までは授乳を継続しながら離乳食に移行していくことが望ましいと述べています。

身体の発育だけでなく赤ちゃんの心の準備も大切

    ①パパやママの食事をじーっと見る
    ②食べ物を見ると口をパクパクさせる
    ③食べ物を見るとよだれが出る
    ④授乳時間が規則正しくなってきた
    ⑤お皿やスプーンに興味を持ち始めた
    ⑥哺乳反射が少なくなってきた

生後半年頃の赤ちゃんがこんなサインを出したら離乳食の開始時期です。特に、家族が食事している風景をじーっと見つめ出すのは、食事に興味がわいてきた証拠です。

試しに薄味の柔らかい食材をスプーンに取って赤ちゃんの口に近づけてみましょう。

その時、口を開けて待っていたら、「私(僕)も食べたい」と言うサインであり、赤ちゃんの身体だけでなく心の準備も整った証拠です。

身体と心の準備ができた段階から離乳食を始めることで、赤ちゃんも嫌がらずに食べてくれるため、失敗を防ぐことができます。
また、哺乳反射の見極めについては、固形物を与えてもすぐに舌で押し出してしまうようなら、まだ離乳食には早い時期であると言えそうです。

焦らない、比べない

産まれてからずっと母乳(ミルク)で育ってきた赤ちゃんにとって、離乳食とは未知の世界であり大きな挑戦と言えます。

成長にも個性があるように、離乳食もスムーズに受け付ける赤ちゃんもいれば、断固として拒否する赤ちゃんもいます。

ですが、たとえ離乳食の開始が遅れたとしても、いずれは家族と同じ食事を摂れるようになるため、心配は不要です。

周りのママ友や育児本のマニュアルに流されて、ママがストレスを抱えていては、赤ちゃんにもダイレクトに緊張が伝わります。

赤ちゃんの身体と心の受け入れ態勢がそろって初めて離乳食は成功しますので、ママと赤ちゃんのオリジナルペースを大事にしていきましょう。

最新の厚生労働省ガイドライン:授乳・離乳食の支援ガイド・平成17年