「そろそろ離乳食を始めよう!」と意気込むママの気持ちを知ってか知らずか、離乳食を嫌がる赤ちゃんって結構多いんです。
手間暇かけて作った離乳食を一口も食べてくれない姿を見て、「他の赤ちゃんは美味しそうに食べてるのに何でウチの子だけ…」とガッカリした経験を持つママもきっと多いのではないでしょうか。
ですが、これには赤ちゃんなりの深い理由があり、そこのところをママがちょっと分かってあげた上で少しの工夫してあげると、良い方向に向かう場合があるのです。
そこで今日は、赤ちゃんが離乳食を嫌がる理由とその対処法について、詳しくまとめてみました。
赤ちゃんが離乳食を嫌がる理由
味付けに注目
離乳期の赤ちゃんは、母乳やミルクなどのふんわりとした「甘い味」が大好きです。
これは赤ちゃんが生きるために必要なエネルギーが、母乳やミルクにたっぷり含まれているからであり、どんな赤ちゃんでも本能的に甘い味を欲しがることが分かっています。
反対に、「苦い味」や「酸っぱい味」は毒や腐敗などの危険から回避するために、赤ちゃんの本能が苦手と判断することが分かっています。
離乳食を作る際、最初は甘みを感じる味付けになるように心がけ、料理が出来上がったら苦味と酸味が感じられないか、ママが味見のチェックをすると良いですね。
食材の大きさや硬さに注目
赤ちゃんの多くは、硬いものより程よく柔らかい口当たりを好みます。
たとえ、レシピ通りに作ったとしても、野菜やお肉が大きすぎたり硬すぎると、赤ちゃんは瞬時に「食べにくい」と判断して食べるのを止めてしまいます。
また、赤ちゃんは、小さすぎたりドロドロし過ぎる食材に対しても拒む傾向にあることが分かっていますが、これは赤ちゃんが食感に不満に感じるだけでなく、噛むことを覚えさせると言った本来の離乳食の目的からも大きく外れてしまっています。
同じ味付けでも、食材の形状を変えるとスムーズに食べてくれる可能性もあるため、「どんな形状なら食べてくれるか」の見極めはママにとって重要です。
時期に注目
離乳食は、準備期・初期・中期・後期・完了期の5期に分かれていますが、赤ちゃんの月齢だけにとらわれるとトレーニングがスムーズには運びません。
例えば、準備期の課題は「スプーンに慣れさせること」ですが、つい昨日までおっぱいや哺乳瓶しか知らなかった赤ちゃんが急にスプーンをうまく使えるはずがありませんし、「準備期が終わるまでに何とかしなきゃ」とスプーンの使用を強要しても決して上手くは行きません。
まず大切なのは、赤ちゃんに離乳食への関心を持ってもらうことであり、それには家族と食卓を囲む時間が必要不可欠になってきます。
家族が会話をしながら食事を楽しむ姿や、箸やフォーク・スプーンを使ってご飯を食べている姿を見て、赤ちゃんは「食べること」の意味を脳に吸収していきます。
月齢だけにとらわれずに、まずは食事の時間を赤ちゃんと共有しながら、ご飯へ興味を持つようになった赤ちゃんが「食べたい」と言うサインを出すのを見極めてから、次の段階へ移行するようにしましょう。
レシピや時間に注目
最初は食べてくれてたのに、途中から急に嫌がるようになったり、食べる日と食べない日のムラのある赤ちゃんも多く見られます。
これには、いつも似たような内容の離乳食に飽きてしまうケースや、まだお腹がすいていないのに遊びを中断された時など、赤ちゃんなりの拒む理由があるようです。
赤ちゃんは、味付けや食材など同じものが続くと食べなくなったり、母乳やミルクに戻りたい時にも食事を拒否する場合があります。
また、大人と違って生活リズムが一定していないため、いつもと同じ時間に食べるのを苦痛と感じたり、遊んでいる最中に邪魔されるのも嫌がります。
ママとしては、規則正しい生活を送るためにも決まった時間に食事を食べてほしいと思うものですが、離乳食の時期は気長にやっていくことが大切です。
まだおっぱいが恋しい時ですので、離乳食を嫌がったら少しおっぱいをあげて、また離乳食を与えるのもおすすめです。
対処法
離乳食の段階を1つ前に戻す
初期の段階でスムーズに食べてくれたからと言ってステップアップに急いでしまうと、赤ちゃんは急に食べなくなることがあります。
赤ちゃんは、慣れているものに対しては安心して食べることができますが、初めて食べる食材や味付けには不安を持つことも多いものです。そういった場合は、1つ前の段階の離乳食に戻してあげることもおすすめです。
食器やスプーンを変えてみる
いつも同じ食器に飽きてしまう赤ちゃんも多いと言います。
時には食器の質感や描かれているキャラクターを変えてみるなど、赤ちゃんの好奇心を少し刺激してみてください。
また、ステンレスなど金属製のスプーンやフォークは、その冷たい口当たりから苦手だと感じる赤ちゃんも多いようです。
もし使うのを嫌がる場合は、プラスチック製のものに変えるなど、赤ちゃんが感じる抵抗を減らしてあげるようにしましょう。
ご飯を食べる時に抱っこしてみる
おっぱいやミルクの時間はママに抱っこされていたのに、離乳食だからと突然慣れない椅子に座らされることに抵抗を感じる赤ちゃんもいます。
そんな時は、ママの膝に抱っこしながら食べさせてみるのも、1つの提案です。
赤ちゃんが好きな定番メニューからの派生レシピを作る
赤ちゃんには、同じレシピで飽きてしまう子もいれば、好きなメニューを食べ続けたい子もいます。
後者の場合は、急に味付けが変わると拒む子もいますので、赤ちゃんの大好きな定番メニューをベースにした派生レシピを作るようにしてみましょう。
味は同じでも使う野菜を変えたり、肉から魚にチェンジするだけでも摂れる栄養価の種類が多くなります。
舌触りを良くする
赤ちゃんの中には、ザラザラやブツブツとした食感を嫌う子もいます。
最初は、10分粥にしたり、野菜は柔らかくなるまで煮るかすりつぶすなど、舌触りの良い食事を作るようにしましょう。
心配しなくてもいつか食べられるようになる
離乳食のテーマは、「これから食べていくものの味を教えてあげること」であり、まだ練習段階の離乳食では全ての栄養を摂る必要はありません。
今は無理でもいつかは必ず食べてくれると信じて、ママが気長にゆったり構えていくことが、離乳食を成功を握るカギとなっています。
食べるのを拒んでも叱ったり無理強いはせずに、冷たいスープや果汁を哺乳瓶で飲ませるなどして、おっぱいやミルク以外の味に慣らせていくことから始めてみましょう。
また、固形の食材に慣れさせる方法として、バナナやきゅうりをおしゃぶり代わりにペロペロさせてみるのも、大変おすすめです。