妊娠してお腹に宿った新しい命。ママが食事で摂取した栄養はお腹の通じて赤ちゃんに届けられ、赤ちゃんの細胞の1つ1つを作り上げていくのです。だからママが口にする食事はとっても大事。

ここでは、妊娠中にはどんなことに気をつけて食事をとったらいいかを紹介します。そして、妊娠初期・中期・後期それぞれの時期にとくにプレママにオススメの食材をご紹介します。

4つの栄養素

妊娠中は以下の4つの栄養素をバランスよくとるように心がけましょう。

タンパク質

赤ちゃんの血液や筋肉をつくるのに必要不可欠なのがタンパク質。

タンパク質は肉や魚、卵などの動物性タンパク質と、大豆製品などの植物性タンパク質に分けられます。
動物性と植物性のタンパク質を「1:1」の割合で摂取するのが理想的です。

鉄分

妊娠すると赤ちゃんの成長にママの体内の多くの鉄分が使われるため、ママは貧血を起こしやすくなりがちです。
鉄分は赤身の牛肉やレバー、貝類のほか、小松菜やホウレンソウ、大豆食品や切り干し大根といったヘルシーな食材にも多く含まれています。
ビタミンCと一緒に摂取すると吸収がよくなるので、レモン汁やお酢などで味つけするといいでしょう。

カルシウム

骨や歯になるカルシウムは、赤ちゃんにとってもママにとっても、大切な栄養素。妊娠中は通常の1.5倍、産後は2倍のカルシウムが必要とされています。

牛乳・チーズ・ヨーグルトなどの乳製品、大豆食品、小魚、小松菜などに多く含まれています。ヨーグルトには整腸作用もあるので、便秘気味なママには特におすすめ。ビタミンDと一緒に摂ると吸収されやすくなります。

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食物繊維

海藻などの水溶性食物繊維はコレステロールの吸収を抑え、根菜やきのこなどの不溶性食物繊維は、排便をスムーズにして便秘を防ぐ働きがあります。

妊娠初期

妊娠初期はつらいつらいつわりの時期。

この時期は「こんなに食べられなくて赤ちゃん大丈夫?」とあまり心配はせず「食べたいときに、食べたいものを」という気分で食事をするようにしましょう。

この時期の赤ちゃんはまだ小さく、ママからの栄養が不足するということはほとんどありません。

気分の良い時には、良質のたんぱく質やカルシウム、鉄、食物繊維を中心にバランスよく。つわりがひどくて嘔吐を繰り返すような場合は、水分だけはこまめに摂って脱水症状を防ぐようにしましょう。

また、妊娠初期にはビタミンAの過剰摂取に注意しましょう。

葉酸

お腹の中に新しい生命が宿ると、栄養のことが気になりますよね。赤ちゃんにとって、お母さんが取る食べ物だけが頼り。たっぷり栄養を補給して、出産に備えましょう。

ここでは、妊娠中のプレママと胎児にとって特に重要とされる「葉酸」について説明します。

葉酸ってどんなもの?

葉酸は、ほうれん草や小松菜などの野菜や豆類、レバー、果物などに多く含まれる水溶性のビタミンです。胎児の細胞分裂を助ける力があるので、体ができ始める妊娠初期よりも以前から十分な量を取っておく必要があり、近頃では産婦人科でもそのように指導するところが増えてきています。

また「血液を作るビタミン」とも呼ばれており、妊婦さんがなりやすい貧血を防ぐ効果も。母体と胎児、両方にとって非常に重要な栄養素なのですね。

しかし、水溶性のビタミンだけに、食事だけで十分な量を取るのは簡単ではありません。プレママの場合、1日あたりに必要な摂取量は400μgですが、国民栄養調査によると全体的に足りていない人が多く、平均で300μgという結果が出ているのです。どのようにすれば、効果的に摂取することができるのでしょうか?

葉酸をしっかり取り入れるための工夫

調理の過程で多くの成分が失われてしまう葉酸ですが、次のような工夫により、栄養を効果的に摂取することができます。

・調理する必要のない食材を選ぶ(納豆、アボカド、いちご、キウイなど)
・スープにして、溶け出した栄養ごといただく
・食材を切る時は、洗ってから。鍋でゆでるのではなく、電子レンジで加熱する

熱に弱く、水に溶けやすいので、できるだけ加熱調理せずそのままサラダなどにしていただくのが理想。調理をする必要がある場合も、なるべく短時間でさっと行いましょう。汁物にすると、溶け出した栄養素までまるごと摂ることができますよ!

足りない分はサプリメントで補う

食事だけで十分な量を摂ることが難しいなら、市販のサプリメントを利用するのも一つの方法です。錠剤やカプセルを水かぬるま湯で飲むだけなので簡単だし、吸収を良くするための工夫がされているので効率的に葉酸を取り入れることができます。
ただ、食事から摂る葉酸が決して過剰摂取になることがないのに対し、サプリメントの場合はあまり摂り過ぎるとなんらかの副作用を招くことも。人によっては不眠症や吐き気、皮膚のかゆみ、全身倦怠感などに悩まされる場合もあるので、パッケージに書かれた1日あたりの摂取量をきちんと守りましょう。

葉酸が不足するとどうなるの?

体内の葉酸が足りなくなると「葉酸欠乏症」と呼ばれる症状が発生します。血液中の赤血球を作り出す働きがうまくいかなくなり、通常よりもサイズが大きくなって、体内に酸素を送りだす作業が滞るのです。その結果、体が酸欠状態に陥ってめまいや立ちくらみ、動悸、息切れなど、いわゆる貧血の症状が起こります。

他にも、下痢や食欲不振、口内炎になりやすくなったり、つわりがひどくなったりすることもあります。

赤ちゃんへの影響としては、二分脊椎、無脳症などの病気にかかる可能性が高くなるということが挙げられます。いずれも重い症状が特徴で、一生涯に渡って病院との縁が切れないのが普通。無脳症に至っては、医師が唯一中絶を勧めるもので、生まれてから1日ももたず死亡してしまうケースも珍しくありません。

これらの病気は、きちんと葉酸を摂っていればおよそ70%以上の確率で予防することができます。妊娠してからではなく、子供を持つことを考え始めた時からすぐに葉酸の摂取を始めましょう。

ただし、妊娠後期に葉酸を過剰摂取すると生まれてくる子供が喘息になる確率が上がるので、摂り過ぎにはくれぐれも注意してください。

家族みんなで葉酸を摂ろう!

葉酸は、プレママや胎児だけではなく、すべての人にとって大切な栄養素です。無事に赤ちゃんが生まれた後も、今度は病気知らずの丈夫な体を作り、すくすくと育つために葉酸を与えてあげましょう。もちろん、働き盛りのお父さんにも欠かすことはできません。

しかし、小さな子供にとっては市販のサプリメントが強すぎる場合もありますよね。基本的に食事から十分な量を摂る工夫をして、どうしても不足してしまうのであれば、かかりつけの医師に相談した上でサプリメントを与えることも検討してみましょう。念のため、自己判断するのではなく、必ず現物を持参して与え方の指示を仰いでからにしてください。

万が一、サプリメントの摂取をした後で副作用が表れたら、すぐに服用を中止して病院へ連れていきましょう。もちろん、医師の許可が出なかったものを無理に与えるのは厳禁です!

子供が葉酸を多く含む食べ物を苦手とする場合は、細かく刻んでハンバーグに混ぜたり、甘い果物と一緒にミキサーにかけてジュースにしてあげたりすると良いでしょう。また、そのまま食べられるいちごやキウイ、かんきつ類などを食後のデザートやおやつに出してあげるのもおすすめです。

最後に

葉酸は、このように私たち人間の体にとって欠かすことのできない重要な栄養素です。特に、普段より多くの量を必要とする妊娠前~妊娠初期には、必要に応じて市販のサプリメントも取り入れていきましょう。ただし、副作用を防ぐため、既定の量を超えて摂取することはNGです。