「葉酸」と聞くと、お腹に赤ちゃんのいる女性が摂るべきものというイメージが強いですが、実はパートナーとの子供を望む男性も積極的に摂る必要のある栄養素だとご存じでしたか? その具体的な理由と、上手な取り入れ方についてご説明します。

なぜ、男性にも葉酸が必要なのか

当然のことですが、子供は女性1人では作れません。妊娠を成立させるには必ず男性の精子が必要となるわけですが、精子は環境によってその質に影響が出やすく、なかなか妊娠に至らなかったり、胎児になんらかの悪影響が出てしまったりすることもあるのです。

健康な精子を作るのに必要な栄養素としては亜鉛やビタミンEなどが有名ですが、葉酸も絶対に欠かすことのできない栄養素。なぜなら、葉酸が不足している男性の精子はDNAをコントロールする機能に異常が起こりやすく、それが赤ちゃんの奇形につながってしまうからなのです。これを「染色体異常」と呼びます。

妊活中の男性に必要な1日あたりの葉酸の摂取量

子供を持つことを考えている男性は、1日あたり240~400μg程度の葉酸を摂取しましょう。葉酸はほうれん草や小松菜などの緑黄色野菜、豆類、レバー、果物などに多く含まれているので、毎日の献立にこれらの食材を意識して取り入れると良いですね。

ただ、葉酸は水溶性のビタミンなので調理の過程で成分が失われることも多く、食事だけで十分な量を摂ることが難しい場合もあります。そのような時は、市販のサプリメントを利用して足りない分を補給してあげると良いでしょう。無農薬の安全な原料を使ったものを選ぶようにしてくださいね。添加物が少ないことも重要なチェックポイントです。

質の良い精子を作るためのポイント

男性の精子の質を高めるには、葉酸を摂ることの他にも次のような点に気をつけていただきたいと思います。

ストレスをなくす

過剰なストレスは、血流を悪くして生殖機能にダメージを与えます。忙しい現代人にはなかなか難しいことかもしれませんが、休日に思いっきり好きなことをしたり、1日の終わりにゆっくりお風呂に浸かったりするなど、自分なりの発散方法を見つけてストレスを遠ざけましょう。あまりくよくよ思い悩まないことも大切です。

飲酒・喫煙を控える

お酒やタバコが好きな男性も多いと思いますが、健康な子供を望むのであればしばらく我慢しましょう。特にタバコは百害あって一利なし! しっかり長生きして子供を育てるためにも、この機会にやめてしまったほうが得策です。お酒も、普段より飲む量を減らす努力をしましょう。適量のアルコールは血行を良くするのに役立ちますが、飲みすぎると精子の質の低下につながります。

しっかり睡眠をとる

仕事が忙しくて帰宅は毎日深夜……という人も多いと思いますが、睡眠不足は妊活の敵。アメリカン・ジャーナル誌に掲載された論文によると、睡眠障害を訴えている男性の精子は、そうでない男性の精子に比べて濃度が低く、正常な精子の数が少ないということです。

残業は仕方ありませんが、お酒の付き合いなどはなるべく断り、遅くとも日付が変わる頃までには眠れるようにしましょう。

生殖器を熱から守る

精子は熱に弱く、日常的に膝の上にパソコンを置いて仕事をしていたり、蒸れやすいボクサータイプやブリーフタイプの下着を愛用していたりすると、質が悪くなる可能性があります。また、長時間自転車に乗るのも良くありません。なるべく風通しの良いトランクスを使用し、下腹部に熱がこもるような行動は避けましょう。

妊活を成功させるには、パートナーの心に寄り添うことが大切

男性は「産む性」ではないためか、妊娠や出産、子育てへの関心が薄いケースが少なくありません。何年も子供に恵まれず、パートナーがつらい不妊治療に耐えているのに「自分は関係ない」とばかりに診察や治療を拒否する人もいますが、明らかに女性側に原因がある場合はともかく、たいていは男性側にもなんらかの原因があるもの。時には屈辱的な治療を受けなくてはならないこともありますが、原因を明らかにして妊娠を成功させるためにも、積極的に病院へ足を運んでいただきたいと思います。

不妊ではなく、望むとおりにパートナーが妊娠できた場合でも、やはり夫の協力は大きな支えとなります。つわりなどで体調が悪ければ代わりに家事を引き受ける、不安や悩みをしっかりと受け止めてあげるなど、夫だからこそできることをどんどんしてあげましょう。

「つわりは病気じゃないのだから働け」「俺に愚痴を言われても困る」などと冷たく突き放してしまう人もいますが、まったくもって無責任としか言いようがありません。

妊婦が不安やストレスを感じると、それが血行不良や子宮収縮などにつながるため、結果的に胎児の環境を悪くし、流産や早産につながることだって考えられるのです。もちろん、夫婦仲にも影響してきますよね。女性にとって、妊娠や出産、子育てを1人で乗り切るのは大変なこと。できる範囲で協力し、思いやりを見せてあげてほしいと思います。

最後に

染色体異常の可能性を減らし、健康な赤ちゃんを産むためには、男性の精子を質の良い状態に保つ必要があります。そのために欠かせないのが「葉酸」。足りない分はサプリメントも利用しながら、毎日継続して摂っていきましょう。パートナーが安心して妊娠や出産できるよう、しっかりサポートすることも大切です。