不妊の原因の半分は男性にあることをご存知でしょうか。

そして、男性不妊を調べるにあたって忘れてならないのが、睾丸の存在です。

パートナーの妊娠を希望する男性にとって、睾丸の大きさは大変重要であり、逆にペニスの大小はあまり関係がありません

そこで今日は、不妊と睾丸の関係や、大きさや状態から分かる自己診断の方法をご紹介いたします。

男性不妊とは

男女が避妊をせずに性行為を行うと、1年以内に約9割のカップルが妊娠に至ると言われていますが、その中の10組に1組の割合で不妊症のカップルが存在します。

昔は不妊症の原因の多くは女性側にあると言われてきましたが、昨今では男性側に約5割の不妊因子が関わっていることが分かってきました。

男性不妊症になる原因としては、精液に精子が存在しない無精子症、精液に精子の数が少ない乏精子症、精子の動きが活発ではない精子無力症などが挙げられますが、これには「睾丸」の存在が深く関わっています。

そもそも、睾丸には2つの働きがありますが、1つ目は男性ホルモンであるテストステロンを作ること、2つ目は精子を作ることです。

睾丸には、精細管という細い管が1000本以上も詰まっており、その1本1本から精子の元となる細胞が生まれて精子が作られていく仕組みになっているのですが、この睾丸の大きさこそが妊娠を希望する男性にとって大変重要であることが分かっています。

男性不妊を見分ける睾丸の特徴

男性不妊の可能性がある睾丸の特徴としては、睾丸が小さく柔らかいことが挙げられます

睾丸の大きさは、小さいよりも大きい方が精子の数は多く、その動きも活発的であると考えられています。また、睾丸の状態もふにゃふにゃで柔らかいよりも、ぷりぷりと硬くしっかりとしている方が、精子数が多く精子の質も良いことが分かっています。

このことから、大きくて硬めの睾丸は質の良い多めの精子を作ることができ、反対に小さくて柔らかい睾丸は精液を作る量が少ないため質も良い精子も少ないことが分かってきます

病院で睾丸の大きさを測る場合は、いろいろな大きさの楕円形の玉が用意されており、本人の睾丸と同じ大きさに見える玉の容積を睾丸の容積とします。

自宅ではこうした秤はないため、係数を用いた計算(0.71×長さ×幅×厚み=精巣容積)で出すことで、容易に容積が出せます。

ですが、自分で行う計算の場合は、精巣上体や筋膜も入るため実際より大きくなる可能性もあるので、長さと幅については少し差し引いてから計算することをおすすめします。

ちなみに、日本人男性の平均的な睾丸の容積は、年齢や個人差によって差はあるものの約15mlから20ml程度であり、14ml以上であれば正常範囲であると言われ12ml以下の場合は小さいと分類されます

年齢別で見ると、20代男性が1番大きく平均して20mlありますが、これが10ml以下の場合は乏精子症の可能性もある場合が高いようです。

が、しかし、睾丸が大きい方が妊活に良いとは言え、サイズが急に大きく変化するなどした際は、精巣水瘤(陰のう水腫)や精巣腫瘍が疑われるため、充分な注意が必要です。

睾丸と一緒にチェックしたい陰のうの特徴

睾丸以外にも、陰のうが重い、腫れていると言った症状がある場合は、男性不妊の可能性があります。

そもそも陰のうには、寒い時には縮こまり、暑いときには垂れさがるなどの温度調節をする機能がありますが、気温に関係なく常に垂れ下がっているなどの症状がある場合は陰のうの温度が常に高いことが考えられ、精索静脈瘤の可能性が疑われます。

また、陰のうのサイズが左右で異なっていたり、側面の皮膚がデコボコとした状態(袋の中に睾丸ではない何かが入っているように見える)の場合も、精索静脈瘤の疑いが否定できません。

精索静脈瘤は、精子異常や精子萎縮と言った不妊原因に繋がる症状を持っており、男性不妊患者のおよそ4割が罹患していますが、こちらはエコーなどの簡単な検査で発見しやすいため、少しでも陰のうの温度や形状がおかしいと感じたら迅速に病院での診察を受けましょう。

男性不妊の主な診断方法

問診、診察

睾丸や陰のう、精管の状態、精索静脈瘤の有無を、問診と触診などから調べます。

血液検査

採血により、男性ホルモン(テストステロン)や睾丸の働きを調節するホルモン(下垂体ホルモン)を測定します。

精液検査


精液の採取後、精液の量や濃度、運動率や奇形率を測定します。

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MRI


陰のうなどの形状から、精索静脈瘤の疑いがある場合に検査します。

染色体検査

精液検査により無精子症や高度乏精子症が分かった場合、染色体に異常が無いかを調べます。

経直腸エコー


陰茎に射精障害がある場合に調べます、

男性不妊の主な治療方法

精子の数が少ない乏精子症の場合

精索静脈瘤があれば手術を行い、無い場合は投薬治療としてホルモン剤以外の治療を行っていきます。

また、ホルモン剤を用いた注射療法を行いながら、タイミング法を用いた自然妊娠、人工授精、体外授精などを視野に入れて検討していきます。

精子が存在しない無精子症の場合

無精子症の理由が、精巣の中で精子が作られているにもかかわらず、ヘルニア手術後やパイプカットなどで精路が閉塞している場合は精路再建術を行います。

また、非閉塞性無精子症の場合は、精巣内にある精子を採取回収して冷凍保存する顕微鏡下精巣内精子採取手術を行います。

膣内射精障害の場合

勃起障害や射精障害の場合は、バイアグラやレビトラ、その他にも漢方薬や男性ホルモン剤を使った薬物療法があります。

または、人工授精や体外受精と言った高度不妊治療も可能です。

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