人工授精は不妊で悩む夫婦やカップルにとっての、最後の救いのようなイメージがあると思います。最後の救いというのは、つまり悩みに悩んで最後にようやく踏み切る領域のようなイメージがあるからです。若ければ若いほど妊娠できる確率は高くなりますが、多くの人々が何年も悩んだ後で人工授精へ踏み切るので、その時点で確率が少し低くなってしまいます。

ではなぜ、多くの人々が人工授精へ踏み切るのにそんなに長年悩んでしまうのでしょうか。そこには「そこまでしなくてもいつかはできるんじゃないか」と考えたり、「人工授精に踏み切るというは、すごく重い問題を抱えてしまっているようなイメージがある」といった先入観に加えて「怖い!」というイメージが強いからだと思います。「人工的に受精させるというのはつまりお腹の中をかき回したりとか・・・」なんて恐ろしい実験台になってしまうような恐怖感を抱いている人もいるようです。

しかし、当然ですがそれは大きな間違いです。人工授精は今ではごく一般的なものであり、多くの人々が人工授精を行い、子供を授かることに成功しています。イメージだけが頭の中で膨らんでしまい、選択肢の中にも入っていないような方もいますが、不妊治療をする上で、最も有効な方法であるといえます。食事や生活習慣を変えることで妊娠する確率を上げることももちろんできますが、それでもなかなか思うようにいかない時には、専門家に相談して人工授精に踏み切ることも考えるべきです。

人工授精に対して頭の中で持っているイメージは、間違っていたり、大げさになってしまっていることが多いと言えます。

人工授精は大げさな作業ではない

人工授精は特別だと思っている人も多くいますが、決してそんなわけはありません。ほんの簡単な作業で終えることができるものです。膣内で射精して精子を放出するプロセスを、チューブなどを使って代用しているだけの話であり、薬品や特殊な器具を使って行っているわけではありません。科学者が研究室で行っているような特別な作業といったイメージがあるかもしれませんが、それは間違いなのです。

実は10人の子供がいれば、その内の一人は人工授精で生まれていると言っていいほど人工授精は一般的になってきています。痛みが全くないわけではありません。

チューブを挿入する時に生理痛のような痛みがあります。この痛みの度合いは人によって違うようです。また人工授精した後二日間は腹痛があったりすることもあるようです。しかし決して耐えられないほどの激痛、というわけではありません。しかし、この痛みの情報が独り歩きして多くの人々に不必要な恐怖感を抱かせてしまっているのも事実です。

それでも人工授精が怖い人・・・

人工授精を行う上で、しなくていい心配をする必要はありません。心配になるのは、心配の対象であるものをよく知らないからです。人工授精のメリットは当然「妊娠する確率が高くなる」ということです。

では逆に注意点も頭に入れることで心配はやわらぐかもしれません。まず、人工授精には排卵誘発剤を使用します。この排卵誘発剤には多少の副作用があります。血圧の低下や肝機能低下、腎機能低下などが引き起こされるなどの症状が出現する「卵巣過剰刺激症候群」と呼ばれるものです。人工授精の回数が増えるほど、排卵誘発剤の使用回数も増えるのでこの症状が誘発されるリスクは高くなっていきます。

また、滅多にありませんが、人工授精を行うと、まれに器具に付着した菌が原因で感染症にかかることがあります。人工授精を行った後で体調に不調があった場合はもしかしたらこれが原因かもしれません。早急に受診して検査をするようにしましょう。そして「妊娠高血圧症候群」にも注意が必要です。妊娠20週以降から産後12週までに高血圧を発症する症状のことを指します。

人工授精には、以上のようなリスクがあります。若干の痛みを感じる場合もありますが、待望の妊娠を獲得できることと天秤にかけてしまえばどちらに傾くかは明らかではないでしょうか。

悩む時間がリスクになる

出産に関しては時間が経過すればするほどそのリスクが高くなっていきます。人工授精のプロセスは、膣内で射精して着床させるプロセスを、チューブなどの器具を使用して代用するにすぎません。

決して大げさな治療を行うような大掛かりなものではないのです。金額も1万円から3万円と、それほど手が出にくいようなものでもないので、ちょっとでも悩んでいるのであれば、なにはともあれ相談することをおすすめします。

唯一リスクがあるとすれば、高齢からくるものです。何年も悩んだ後で決断したとしても、その時点ではすでに数年分リスクは高くなってしまっています。早ければ早いほど、成功する可能性も高くなるのです。

重複しますが、人工授精は今ではけっして敷居の高い施術ではなく、一般的の行われている妊活の一つです。知らないものに対しては恐れを感じてしまうのは当然のことです。

では、まず知る努力を始めることから第一歩を踏み出していかなくてはなりません。そこから前に進むことができるはずです。進んだ先には、子供のいる明るい家庭があるかもしれませんね。