「妊活をしているのになかなか赤ちゃんができない。やっぱり私のせい?」と自分自身を責める女性は多くいらっしゃいます。

ですが、実は、精子の運動率が低いことに原因がある「男性不妊」も増えているのです。

運動率低下の原因

「男性不妊」の原因の1つが精子の運動率の低下です。これを「精子無力症」といいます。精子は、卵子を目指して泳いでいきます。ですから、精子に元気がない、とくにまっすぐ高速で泳ぐ精子の割合が低いと妊娠しにくくなってしまうのです。

精子無力症の原因は先天的なものがほとんどですが、前立腺炎やおたふく風邪が原因のこともあります。長期間の禁欲生活も運動率の低下を招くと言われています。また、精子数が少ない、動きが悪い、奇形など、精子自体に元気がないことが大きな要因になっています。

とにかく精液検査を

精子を調べるための「精液検査」は、極めて重要です。精液検査は1回の射精で得られる精液の量と、精液内の精子の状態を調べる検査です。精子濃度や精子の運動率、奇形率、ウイルス感染の有無などをチェックします。

通常、精液検査を受ける場合は、2~7日の禁欲期間が必要とされています。男性の精液は毎日つくられていますので、ストレスや生活習慣などの影響を受けやすく状態が変化しやすいといわれています。そのため日をおいて複数回検査を行い、その結果を見て総合的に判断します。

検査の結果、精子運動率が32%未満、または高速に直進する精子の率が25%未満のものを精子無力症と診断します。

ちなみに精液検査の費用は、内容によって保険適用内か外かが違ってきます。基本的な検査項目であれば保険が適用され自己負担額は1回当たり300円~1,000円くらい。保険適用外の場合は5,000円~30,000円とばらつきがあります。

内容と病院によって全く違ってきますから、事前確認が必要です。

男性の造精機能は低下する?

昔から「初産は30歳までに」と言われてきましたが、これには医学的な背景があるのです。女性の場合、35歳前後を境にして卵巣機能が低下していくからなのです。

生殖機能の低下は男性にも言えることで、45歳前後から「造精機能」が低下すると言われています。男性は、30歳あたりから男性ホルモンであるテストステロンの分泌量が徐々に低下していきます。ただ、男性の場合は女性と違って、緩やかに分泌量が減っていきます。そのため、45歳から50歳あたりを境にして男性の生殖能力は低下していきます。

膣内環境を整えて精子の運動率をアップ

妊娠するためには、より多くの精子を子宮口から卵管までたどり着かせること必須です。

ところで、女性の膣液は、膣周辺から分泌される「バルトリン腺液」と「頚管粘液」の2種類があります。

バルトリン腺液は、膣内を清潔に保つため「酸性」になっており、自浄と潤滑の役割を担っています。女性器は、肛門からも近いことなどから大腸菌等が膣内で繁殖しやすい環境にあります。ですから、バルトリン腺液は膣内環境を守る為に「酸性」になっています。

しかし、酸性であることは。膣内を清潔に保っている反面、精子に対しては悪影響を及ぼします。実は、精液の成分は弱アルカリ性なので、「弱アルカリ性」が精子にとって最もいごこちのいい環境で、「酸性」だと精子は早くに死滅してしまうのです。

女性の加齢やストレス、ホルモン異常などによって、バルトリン腺液の酸性度が強くなってしまうと、もともと弱アルカリ性の液体の中でしか生きることが出来ない精子が死んでしまうのです。「まだ妊娠できない、どうしたらいいの?」というストレスも結果的に膣内の酸性度とつながってしまうこともあります。

一方、頚管粘液は排卵日周辺になると普段より多く分泌され、精子の受け入れを準備します。頚管粘液は「弱アルカリ性」。精子を守るとともに、子宮口にたどり着いた精子を吸い込むように子宮内の卵管に導いてくれます。

精子の寿命は大気中では4時間、弱酸性では2日間、弱アルカリ性では7日程度とされています。より多くの精子を子宮口にたどり着かせるためには、セックスの後は膣内を弱酸性に保つ必要があります。そのために膣内弱アルカリ性にたもつ潤滑ゼリーなども開発されています。選ぶ際は、一般的な弱酸性の潤滑ゼリーではなく、妊娠目的の潤滑ゼリーを選ぶようにしましょう。

※関連記事:今年こそは妊活したい女性が、潤滑ゼリーを選ぶ理由

生活習慣を改めて精子の運動率をアップ

精子が劣化する原因としては、生活習慣も関係あるといわれています。確実に妊娠できるとは限りませんが、できるだけ生活習慣を見直して、劣化を防ぐことを心がけましょう。

お酒とたばこを控える

喫煙とアルコールは、勃起不全(ED)の原因となる、精子の運動率低下をまねく、奇形の精子を生むなどといわれています。喫煙者の精子で妊娠すると、流産や先天性疾患をおこすリスクが上がるという研究報告もあります。

お酒もたばこもほどほどにしましょう。

下着にも注意

関係ないようですが、ブリーフよりトランクスを穿いた方がベターです。ブリーフやボクサーパンツは通気性が悪く精巣の温度が上昇しやすくなります。精子は高温に弱いので、好みではきたい時は通気性の良いものを選びましょう。

バイク・自転車に乗りすぎない

サドルによって精巣が圧迫され、生殖機能に影響を及ぼすといわれています。

睾丸を温めすぎない

精子は熱と活性酸素に弱い生き物。なるべく睾丸を温めないようにしましょう。サウナやこたつなど、長時間睾丸を温めてしまうものは要注意です。

また、ひざの上で長時間・長期間、膝上でノートパソコンをいじっていると精子が劣化するといわれます。精巣が温められてしまい、精子が死んでしまうこともあるそうです。

規則正しい生活を送る

妊活に関係なく健康な生活のベースといえるものですが、規則正しい生活を送ってない方の精子は運動率が低下するといわれています。

野菜やキノコ類を摂取する


トマトに入っているリコピンは精子の敵でもある活性酸素を消す抗酸化力が強いことで知られています。また、野菜に含まれているビタミンEやビタミンC、キノコ類に多く含まれる亜鉛が精子の量を多くすると言われています。

最後に

男性不妊は治療すれば必ず治るという保証はありませんが、医師と相談した上で症状に合った治療を行いましょう。
同時にパートナーと助けあい少しずつ生活習慣を見直していきましょう。