昨今、不妊治療という言葉が珍しくなくなってきました。技術の進歩にもよるのでしょうが、やはり晩婚化の影響が大きいと言います。平成25年時点の厚生労働省による調査では、女性の平均初婚年齢は29歳、第一子出産時の母親の全国平均年齢は30歳でした。平成2年時点では初婚26歳、第一子出産27歳ですので、この年齢は徐々に上がってきています。

現在は初産が35歳以上ということも珍しくありませんが、不妊やそれ以外の問題のリスクが高いことは昔と変わりません。

※関連記事:リスクをきちんと受け入れる。高齢出産を正しく理解しよう

いざ妊娠を望んだ時に妊娠しやすい体をつくるために、日頃から出来ることはたくさんあります。ではどのようなことを心がけたらよいのかを見ていきましょう。

妊娠しやすい体をつくりで、心がけたいこと

良質な睡眠を取る

まずは基本的な生活リズムを見直しましょう。

特に起床時間、就寝時間は、妊娠しやすい体作りに大きく影響します。仕事上、夜の残業や付き合いが多いこともあるかもしれませんが、できれば定時に上がることが望ましいです。

特に排卵日前後には体をリラックスさせ、ストレスが掛からないようにすると良いでしょう。

睡眠は、睡眠時間というよりも何時に寝て何時に起きるか、ということが良質な睡眠につながります。せめてゴールデンタイムと呼ばれる午後10時~午前2時の間は眠れるようにしたいですね。

これは女性に限ったことではなく、男性も睡眠不足やストレスが精子の運動量に影響すると言われています。妊活中は、なるべく夫婦のライフスタイルを合わせることが妊娠しやすい体作りの第一歩です。

バランスの良い食生活を

無理なダイエットをしていないでしょうか?

インスタント食品やレトルト食品が中心の食卓になっていないでしょうか?

これらが原因で母体が低栄養状態に陥ると、妊娠しにくい、または妊娠しても胎児に悪影響を及ぼします。

母親が妊娠中、もしくは妊娠前に無理なダイエットなどで摂取カロリーを過剰に控えていると、生まれてきた赤ちゃんは低体重となり、将来成人病になるリスクが高くなります。

これはなぜかというと、母体の栄養が足りていないと胎児は逆にエネルギー源である脂肪をため込もうとする体質になるからです。すると肥満になる確率が上がり、成人病になるリスクが高くなるというわけです。

何をどう食べるかは、卵子や精子の質にも大きく関係します。妊娠力だけでなく、その先、妊娠出来た際に胎児にどのような影響があるのかをよく考えて、バランスの良い食事を心がけましょう。

※関連記事:妊活に必要なのは、知識を満たした食生活

ストレスを減らす

これは心的ストレスに限ったことではありません。

妊娠しやすい体を作るには、卵子・卵巣のアンチエイジングを心がける必要があります。卵子・卵巣のアンチエイジングとはつまり、老化を遅らせるということですが、老化の原因には酸化ストレスと糖化ストレスとがあります。

酸化ストレスとは喫煙、禁酒、車の排気ガス、有害な食品添加物などが原因で、特に喫煙は百害あって一利なし。

卵子の質が低下することはもちろん、流産や早産のリスク、低出生体重児や先天異常などのリスクも上がります。

関連記事:卵子の老化防止で得られるメリットとは

妊娠を望むなら禁煙は女性だけでなく、もちろん男性もしなくてはなりません。喫煙は精子の奇形率や異常率を上げ、乏精子症などになる可能性もあるからです。

関連記事:知らなかったでは済まない!?卵子だけじゃなく精子も老化するってホントなの?

糖化ストレスは、糖尿病、肥満、お菓子などの過剰な摂取が原因です。糖質は健康な体作りに欠かせないものですが、取り過ぎは体にダメージを与えます。

特に、日本人は欧米人と比べて糖尿病になりやすい体質ですので、少しの肥満でも糖尿病につながりやすいと言われます。

一度糖尿病を発症すると完治することは難しく、一生の付き合いになります。

妊娠すると血糖値が上がりやすくなるので、糖尿病の人が妊娠すると自然分娩が難しい場合もあるそうです。ストレス解消に甘いものが手放せない、という人は多いと思いますが、それが返って糖化ストレスの増加につながっているかもしれません。
適量を心がけましょう。

「卵巣年齢」を知る

近年の晩婚化には、女性の社会進出が大きく影響しています。

妊娠しやすい20歳代~30歳代前半でキャリアを中断してしまうとその後の復帰が難しいため、キャリアアップのために産み時を逃してしまう例は少なくありません。

将来的に出産を考えるのであれば、妊娠・出産にはタイムリミットがあることをきちんと認識してライフプランニングをすることです。そのライフプランニングの一環として、アメリカでは「卵巣年齢」が注目されています。

「卵巣年齢」とは、AMH(アンチミューラリアンホルモン)と呼ばれる女性ホルモンを測定し、卵巣内にどれだけ卵子が残されているのかを予測する、というもの。

主に未婚の女性が卵巣年齢を知ることで、ライフプランニングに役立てています。

生活習慣によって実年齢よりも体年齢が高かったり低かったりするように、卵巣年齢も実年齢とはかけ離れていることがあります。卵巣年齢を予測することで、自分が早いうちに妊娠を考えた方が良いのか、それとも十分キャリアを積んでからでも妊娠の可能性が高いのかを知ることが出来ます。

少量の血液採取だけで調べることが出来ますので、関心があれば産婦人科で相談してみると良いでしょう。ただし、卵巣年齢はあくまで予測です。そのことをしっかり念頭に置きましょう。

関連記事:早めの測定で妊娠・出産の計画を!AMH検査でわかる卵巣年齢

最後に

妊娠しやすい体をつくるために最も大切なことは、深刻になり過ぎないことです。

思い詰めるとストレスにつながります。なるべく体も心もリラックスした状態で過ごすことが理想的です。