妊娠しやすい体づくりのためには、高い体温をキープすることが大切です。体があたたまると、子宮や卵巣も活発にはたらくようになり、生殖機能とも深くかかわっている自律神経の調子もととのっていくからです。

基礎体温には、低めの時期と高めの時期があり、なるべく高体温の期間を長くすることが妊娠しやすい体づくりにもつながります。

ですが、実は高温期への移行に時間がかかる体質の人も多く、そういった人の体は冷えていることで妊娠しにくくなる他、さまざまな体調不良の原因にもなってしまいます。そこで今回は、基礎体温の高温期への移行に時間がかかる人の特徴や、その改善方法についてご紹介したいと思います。

高温期への移行に時間がかかる体質について

基礎体温が高温期へ移るのに時間がかかる人の体温の変化については、基礎体温を記録したグラフを見るとその特徴がよくわかります。

たとえば、通常なら排卵後一日で高温期に移行するところを、何日もかけて徐々に体温が上昇していくこともそのひとつです。一気に体温を上げ高温期に入れるほどの体力・活力がない状態であるということがわかります。

その原因としては、ストレス、自律神経の乱れ、また血行不良やそれにともなう冷えなどが考えられます。生殖機能が低下することでより体温は上がりにくくなり、低い体温が原因でまた生殖機能のはたらきも落ちる、という悪循環に陥ってしまいがちなのです。

また、プロラクチン値が高めだったり、排卵が困難な状態にあるときなどにも高温期への移行がうまくいかなくなることがあります。

高温期への移行に時間がかかる人の体調の変化として特徴的なものを以下にまとめてみました。

  • 体内の血液量を調節するはたらきが弱っている。
  • 脳から体の各器官への指示がうまく伝わっていない。
  • 生殖機能が弱っている。
  • 自律神経(交感神経・副交感神経ともに)が乱れている。
  • ホルモンの分泌量が少ない。

このように、慢性的な体調不良が体温を上げる妨げになっているのです。特に自律神経の乱れは、日々の暮らしのなかで感じるストレスや不規則な生活と密接にかかわっており、まずは体調をととのえ体力を回復するところからはじめないといけないことがわかります。

東洋医学では、こういった体調不良には「腎」そして「肝」のはたらきが影響していると考えられています。

「肌の色はどちらかというと黒っぽい」「先のことを考えて不安になることが多い」「しょっぱいものが好き」「寒さに弱い」「冬が苦手」といった項目に多く当てはまる人は、腎の影響を受けやすい腎体質と言えます。

一方で、「肌の色はどちらかというと青っぽい、もしくは青黒い」「ストレスを食事やたばこ、酒などで紛らわしている」「短気である」「最近根気がなくなっている」「神経が興奮して眠れないことがある」「すっぱいものが好き」「風の強い日が好きではなく、外に出たくないと感じる」「春先に体調を崩しやすい」これらの項目に当てはまれば、肝の影響を受けやすい肝体質ということになります。
そして体質ごとに、その克服法も少し異なるのです。

腎体質を克服するには

腎体質である人の高温期に移行しにくい原因は、生殖機能のはたらきが弱まっていることにある場合が多いです。自律神経の乱れや血行の悪さを改善し生殖機能のはたらきを活発にするためには、まず外から体をあたためることが重要です。特に冷えがちな足元や、太い血管の通る腰のあたりなどをあたためることで全身の体温が上がり、子宮や卵巣付近の骨盤周辺の血行も良くなります。

肝体質を克服するには

肝体質の人も同様に寒さが苦手ですが、腎体質の人と違うのは風によって体が冷えることが特に苦手だという部分です。

ですから、肝体質の人は首の周辺やあしもとなど、風に吹かれて冷える部分をなるべく露出せず、あたためておくことが大事です。特に春先、徐々にあたたかくなってつい油断しがちな季節や、夏場エアコンのきいた室内で過ごすときなどは、特に注意して襟元をカバーするようにしましょう。

妊娠のためには、ストレスを管理・解消しよう!

高温期へのスムーズな移行のためには、自律神経をととのえることも重要です。

そのためには、日々の暮らしのなかで必要以上にストレスをため込まないようにしなければいけません。なにかしらに不安を感じてばかりいると、当然それがストレスになります。不安や強いストレスは、自律神経のうち交感神経のほうを過敏にさせます。その分妊娠しやすい体をつくるためにはたらいてくれる副交感神経は抑圧されてしまうのです。

ですから、副交感神経をより活発にはたらかせるために、常に希望を持つことを意識して考えるようにすることが大切です。

イライラしたり不安を感じることは、それ自体が生殖機能を低下させることにつながります。不安やストレスから解放されて前向きに、希望を持って過ごすことは、自律神経をととのえて高温期を長くキープするという意味だけでなく、妊娠しやすい体づくりのために必要不可欠なマインドなのです。