稽留流産は「けいりゅうりゅうざん」と読みます。妊娠初期の12週までに起こる流産のひとつです。

子宮の中で赤ちゃんが亡くなってしまい、発育が停止した状態でとどまっている状態を指すものです。出血や痛みなどの自覚症状はありませんので、ほとんどの母親は検診時に指摘をされて気づくことになります。

残念ながら治療をほどこしても妊娠を継続することはできません。手術を受けて人工的に掻爬(そうは)する必要があります。

妊娠初期の流産にはさまざまな種類がありますが、この時期の流産は胎児側の異常により起こります。稽留流産だと診断を受けても、必要以上にショックを受けたり自分を責めないように心がけることが大切です。また周囲の人物からの心無い言葉が何よりも傷つきます。配偶者や家族の深い理解と思いやりが大切になってくるでしょう。

稽留流産について正しい知識を得るよう心がけ、母体と赤ちゃんに寄り添うことが大切です。

稽留流産をもっと詳しく知ろう

妊娠初期の5~7週前後、生理の予定に変化がみられた時点で妊娠に気づく人が多いのではないでしょうか。

実はこの時期に(妊娠6~7週)稽留流産をしやすいと言われています。検診で心拍が確認できていても油断はできません。その後に胎児が亡くなってしまうことがあるからです。

「心拍が確認できていれば流産の心配は少ない」ともよく言われるのですが、実はそうではないのですね。子宮内で胎児が死亡していても身体は妊娠を続けようとしていますから、母体につわりが認められる場合も。「つわりが無くなったからひょっとしたら流産したかも」と思われる人も多いのですが、実はそうではありません。

つわりのあるなしでは判断できないのです。症状がない分稽留流産が発覚したときのショックはとても大きく、家族や配偶者の支えが必要となります。

稽留流産は赤ちゃん側の問題

妊娠初期に起こる流産は赤ちゃん側に問題があると言われています。稽留流産も例外ではありません。妊娠初期の流産は、胎児の染色体や受精卵になんらかの異常があって、成長を続けるのが困難なため起こるのです。

「身体を冷やしたせいで稽留流産を起こしてしまった」

「風邪薬を飲んだせいで稽留流産になってしまった」

「イライラしていたので赤ちゃんを苦しめたのでは」

と自分を責める人が多いのですが、母体の心身のストレスは関係がないといわれていますので、よく理解しておきましょう。ただし、母体の年齢によって流産率が変わるのは事実のようです。妊娠をするのに適しているといわれる25歳から34歳までは、稽留流産を含めた自然流産率が低いといわれています。

稽留流産を防ぐには

稽留流産は精子と卵子が受精したときにすでに運命付けられているものととらえてもいいでしょう。受精卵の異常は医学ではどうすることもできない領域なので、治療を施すことができないのは上記でお話したとおりです。ただ、妊娠にいいとされる健康法を実践することで、母体の心身を健やかに保つことができるといわれています。妊娠を考え始めたら、定期的に運動をして血流改善につとめたり、葉酸を摂取しておくといいでしょう。

またアルコールやカフェイン、喫煙も避けるようにしましょう。仕事や運動を控える必要はありませんが、身体を急激に冷やすと血の巡りが悪くなり、母体の健康状態を損ねることがあります。カーディガンを一枚羽織るなど、体温管理にも少し気を配ってみましょう。

ストレスを溜めるのも血の巡りを悪くします。妊娠を希望しはじめたら、自分なりのストレス解消法を身につけるといいですね。

稽留流産の手術とは

稽留流産と診断されたあとは、子宮内を掻爬(そうは)する手術を受けるのが一般的です。子宮内に死亡した胎児がとどまったままだと、妊娠ホルモンが出続けてしまうので、次の妊娠ができないのです。

また子宮内にとどまった胎児が原因で感染症などの病気を引き起こしてしまうこともあります。医師の話をしっかり聞いて、納得して手術を受けるようにしましょう。

稽留流産の手術は、人工妊娠中絶と同じです。

全身麻酔を受けることになりますから、手術中の痛みはほとんど感じません。子宮口を専用の器具で広げて、ピンセット様の器具などで子宮内部を掻き出します。手術の時間は2時間程度をみておきましょう。手術を受けた当日に帰宅できることがほとんどのようです。

また稽留流産の手術は医療行為に該当しますから、健康保険が適用となります。日帰り手術の場合だと、稽留流産の手術費用は2万円から5万円程度が一般的です。

おわりに

稽留流産の場合、心身共に多少なりともダメージを負うことになります。また金銭面での負担もかかります。不安なことはなんでも医師や病院側に尋ねて、納得して治療をうけるようにしましょう。