切迫流産は妊娠22週未満の妊婦さんに起こりうる「流産一歩手前」の緊急事態。子宮から断続的に出血があったり下腹部痛を伴う場合は、切迫早産の疑いが強くなります。

でも過度の心配は要りません。

妊婦さんの6,7人にひとりは切迫流産の傾向が見られるくらい、ごくありふれた状態なんです。医師の診察を受けて適切に対処をすれば、妊娠を継続できる可能性が高くなるんですよ。切迫流産の症状や原因について正しく知り、赤ちゃんと母体を守っていきましょう。

切迫流産とは

妊娠中に少量の出血が認められることは珍しくありません。妊娠をすると子宮に血が集まり充血しますから、ちょっとしたことで出血しやすくなるのです。

しかし、その出血の量が多かったり下腹部に痛みがある場合は切迫早産の可能性があります。

妊娠22週未満の赤ちゃんは、一般的に外に出てしまうと命を維持していくのが難しいといわれています。そんな小さな赤ちゃんが「外に出てしまう一歩手前」の状態に陥っている恐れがあるのです。出血や痛みを「よくあることだ」と楽観視せず、いつもと違う状態になったらすぐ医師に確認するようにしましょう。

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切迫流産の原因とは

切迫流産の原因としては、胎児に異常がある場合が多いと言われています。胎児が染色体などになんらかの障害を抱えていて、成長するのが難しいケースです。

切迫流産になった妊婦さんは、「妊娠しても仕事を続けていたから」「運動をしたから」と自分を責めてしまうことも多いのですが、切迫流産はお母さんのせいではなく、赤ちゃんの染色体異常による「自然淘汰」なのです。

このことは、父親や周りの人たちもよく理解する必要があります。

お母さんに対して「お前のせいだ」と強く当たってしまう人も珍しくないのです…。ほかに「多胎妊娠」や「子宮に病気や腫瘍などの異常が見られる場合」についても切迫流産になりやすい傾向があるようです。

出血がみられたら

出血がみられたり、下腹部に痛みを感じるときは、まずかかりつけの医師に電話で連絡をしましょう。その際、「いつから出血があるのか」「お腹は張っているか」等を伝え、医師に判断をしてもらいます。必要があれば診察を受けましょう。

その際におなかの赤ちゃんの心拍を確認できれば、切迫流産の危険はまずありません。でも心拍が弱くなっている場合など、医師が「危険な状態だ」と判断したときには、入院して治療を受ける場合があります。

安静にすることが治療法

妊娠12週までの切迫流産に特別な治療方法はありません。

ただし、妊娠16週以降の場合などはひどい下腹部痛に対して子宮収縮を抑制する薬を対処療法的に使うことがあります。妊娠を継続する働きに期待して、黄体ホルモンを使うこともあります。

また子宮筋腫が切迫流産を誘発している場合は、手術で取り除くこともあります。切迫流産と言われたら、とにかく安静にすることを心がけましょう。仕事や育児、家事もしばらくお休み。心身ともにストレスになることは避け、赤ちゃんの生命力を信じてゆっくり休むことが大切です。

切迫流産の予防法は

切迫流産はほとんどが胎児の異常によるものですから、予防法は確立されていません。

ただし、ストレスは禁物です。

心身に負荷がかかると呼吸が浅くなり体内の血の循環が悪くなります。子宮やお腹の赤ちゃんに必要な栄養素を届けにくくなる恐れがあるのです。冷たい飲み物を飲みすぎたり薄着をすることもなるべく避けましょう。我慢をしすぎない程度に節制することが大事です。

また、妊娠をする前からの身体づくりもとても重要。早寝早起きを心がけ生活のリズムをつくったり、赤ちゃんの健やかな発育に効果的といわれる葉酸を摂取するのもいいですね。

おわりに

一般的な流産とは違い、切迫流産は妊娠継続が可能な状態です。

ただし「出血が軽いから」「それほどお腹が痛くないから」といつもの生活を続けたり体に負荷をかけると、取り返しのつかないことになる恐れがあります。不安に思うことがあったら、医師に判断を仰ぐようにしましょう。