妊娠のはじめの頃に赤ちゃんが亡くなってしまうことを流産といいます。流産は進行具合により名前がついているのですが、不全流産はそのなかの名前の一つ。

不全流産とは、流産がはじまっていて、そのうえまだ子宮の中に赤ちゃんや子宮内容物が存在する状態をいいます。

不全流産の場合、多くは陣痛のように激しい腹痛や出血を伴います。不全流産と診断を受けたら、流産に伴う手術を受けるのが一般的。この手術は「子宮内容物除去手術」などとよばれる医療行為ですので保険がききます。費用は2万円前後を用意しておきましょう。日帰り手術や一泊の入院が一般的のようです。

不意な出血や腹痛があると不全流産の心配をしてしまうものですよね。正しい知識を身に着けて赤ちゃんや自分たちにとって最も適した対処方法をとるようにしましょう。

不全流産は流産の一種です

妊娠22週までのいわゆる「妊娠初期」に赤ちゃんが亡くなってしまうことを総称して「流産」といいます。

そのなかでも流産になりやすいのが妊娠のごく初期。妊娠12週までの妊娠のごくはじめの方で流産を経験されることが多いようです。流産には進行具合や原因、症状によっていくつかの名前がついています。

流産の進行具合による流産の名前には、「完全流産」と「不全流産」のふたつがあります。

完全流産が子宮の中から赤ちゃんや内容物が完全に外に出てしまっている状態です。そしてここでとりあげる不全流産とは、流産がはじまり子宮の内容物がまだ子宮内部にある状態をいいます。この不全流産になってしまうと、とても激しい腹痛と出血を感じることが多いようです。すでに出産を経験している人は陣痛のようだったと言うこともありますし、重い生理痛のようだったと振り返る人もいます。

不全流産の原因は赤ちゃんの染色体異常

流産の原因は多くが赤ちゃんの染色体異常だと言われています。赤ちゃんが受精をしたときに、染色体がうまく作られないことがあります。赤ちゃんの染色体に異常があると、お腹の中で大きく成長できないことがありますし、生まれても長く生きられないことがあるのです。 

流産は特別なことではなく、誰にでも起こりうることなんですね。

妊娠したことがある人のうち15パーセントもの人が流産を経験したことがあるという研究結果もあります。実はとても多くの人が流産を経験しているのです。

とはいえ悲しい出来事ですから、公には語られません。
そのため初めての妊娠をする人は特に孤独感や悲愴感に囚われてしまうかもしれませんね。でも流産を経験したということは、少なくともお腹の中は受精ができる環境にあるということ。今回の流産の処置をきちんと受けることで、次の赤ちゃんがやってくる環境が整います。

不全流産だけではなく多くの流産は、母親の日々の生活や仕事のせいで起こったわけではありません。不全流産と診断を受けても不必要に自分を責めないように心に留めておいてくださいね。

薬で様子見になるケース

状態によりHCG値の元になる絨毛組織を、子宮収縮剤などを飲んで様子見となるケースもあります。

不全流産の手術について

不全流産の手術は「子宮内容物除去手術」といいます。

お腹の中に赤ちゃんや内容物が残っていると感染症等を引き起こしますから、子宮の中をきれいにすることが大事なのです。とはいえ、「せっかく宿った命なのに……」と手術を躊躇されることもあるでしょう。しかし、残念ながら……、不全流産と診断を受けたら、赤ちゃんはそれ以上成長することはありません。次の妊娠につなげるため、そしてなによりお母さんの身体の健康のために強い気持ちで手術に臨みましょう。

「子宮内容物除去手術」は母体の健康のための医療行為ですから、健康保険が適用になります。婦人科にかかる際には健康保険証を持っていきましょう。また加入している各種保険会社からお見舞い金等が出ることも多いです。予め請求方法を確認し、必要書類を揃えましょう。

手術費用は三割負担で2万円から5万円をみておきましょう。日帰り手術や1泊入院で退院できるのが一般的です。

不全流産後の子作り再開は身体と相談して

不全流産は仕方が無いこととはいえ、心に大きな傷を負ってしまうことも少なくありません。すぐにでも子作りを再開したいという人もいるでしょうが、最低でも生理が一度来るまでは様子を見たほうが安心です。

基礎体温計をつけたり医師に卵胞チェックなどをしてもらって、妊娠・出産できる状態かどうか把握をしてから子作りを再開するようにしましょう。

一般的には、不全流産後1~3ヶ月程度様子を見ることが多いようです。痛みが癒えたら、適度な運動をしたり身体を温めるなどして体調管理に取り組んでみましょう。

おわりに

子宮内容物がまだ体内に残っている流産、不全流産。母体が無理をしたからではなく、赤ちゃんの染色体異常により引き起こされます。一度生理が来るまでは子作りを控えるようにし、パートナーとじっくり話し合って次のステップにつなげるようにしましょう。