出産にはさまざまなリスクがあります。その中でも気になる、生まれてくる子供が障害児である可能性。今回は年齢別の確率や検査方法などを詳しくご紹介していきます。

年齢からみる障害児が生まれる確率について

卵子は女性がお母さんのおなかの中にいた頃にほぼ作られてしまうことは知っていましたか?あなたが25歳であれば、今排卵された卵子も25歳。例えば40歳という高齢出産になると、卵子も同じ40歳ですからどうしてもトラブルが起こりやすくなります。高齢の卵子は染色体に異常が起こりやすく、障害児が生まれる確率が高くなるのは事実。高齢出産する女性が増え、このリスクを抱える女性はとても多くなっているのです。

染色体異常があると、多くの場合自然流産することが多く、高齢出産の流産率が高いのも頷けます。染色体に異常のあるまま生まれると精神発達に遅れが見られたり、発育に障害があるケースが多く、特に頻度の高いのが「ダウン症」です。

出産年齢と染色体異常の発生確率と、障害児(ダウン症)の発生確率を見てみましょう。

染色体に異常がある確率

  • 25歳…476分の1
  • 30歳…384分の1
  • 35歳…192分の1
  • 40歳…66分の1
  • 45歳…21分の1

障害児(ダウン症)が発生する確率

  • 25歳…1250分の1
  • 30歳…952分の1
  • 35歳…385分の1
  • 40歳…106分の1
  • 45歳…30分の1

出産する年齢が40歳を過ぎると一気にその確率は高くなるのが分かると思います。ダウン症の赤ちゃんはこの15年間で約2倍に増えているのが現状で、高齢出産を考えている人は決して他人ごとではありません。

異常が無いか調べられる胎児ドッグとは??

胎児異常を調べる検査のことを「胎児ドック」と言い、受ける時期や目的、調べる内容によって名称や費用が異なってきます。これは妊婦が必ず受ける検査ではありません。

一番最初に行う胎児ドックは妊娠11~13週の時に受けられる「初期スクリーニング検査」です。この検査は超音波検査と血清マーカー検査の二種類を行います。まず超音波検査では胎児の鼻骨の有無を確認します。鼻骨の形成時期を確認することで胎児の成長スピードの目安になるためです。他に胎児の首のむくみをNT検査によりチェック。むくみが厚いとNTの数値が高くなり、染色体異常や病気の可能性が高くなります。他にも心臓房室弁逆流が無いかどうか確認をします。

次に母体血清マーカー検査を行います。母体の血液中にどんな物質が含まれているのかを細かく確認し、そこから赤ちゃんにダウン症、18トリソミー、神経管閉
鎖障害などの異常が無いかどうか、その可能性を調べていきます。

またこの母体血清マーカー検査の一つに「クアトロテスト」というものもあります。このテストでは母体の血液中の4種類の物質(APF,hCG,uE3,lnhibinA)を中心に検査をします。このテストで、生まれる赤ちゃんがダウン症候群である場合約8割の確率で異常値が示されます。

妊娠中期にも胎児ドックは受けられます。「中期スクリーニング検査」と言い、妊娠18週~30週頃に行います。中期に検査を行う目的は、胎児の形態に異常が無いかどうかを確認すること。そのためある程度大きく成長した頃の方が、胎児の内臓の様子や形状が確認しやすいため25週以降がお勧めです。検査は超音波診断装置を使用、経腹法(お腹の上から行う)と経膣法(膣に注入して行う)の2つがあり、後者の方が詳しく検査できます。胎児の発育状態を詳しく確認することで、生まれる赤ちゃんがどんな障害児である可能性があるのか、またどんなトラブルを抱えている可能性があるのかが分かります。

異常をほぼ確定できる、羊水検査と絨毛検査

初期スクリーニング検査の結果を受け、生まれる赤ちゃんに異常がある可能性を指摘された場合、確定検査を受けることができます。もちろんこれは任意であり、必ず受けなければいけないものではありません。確定検査は羊水検査と絨毛検査があり、99%の確率で異常を見つけることができるため、「確定検査」と呼ばれています。

羊水検査が出来るのは妊娠15週前後。母親の腹部に注射をし、羊水を採取。ここではダウン症(21トリトミー)、エドワーズ症候群(18トリトミー)、パトー症候群(13トリトミー)、二分脊椎症の4種類が診断可能です。ただし1/300から1/500位の確率で流産するリスクが伴います。

絨毛検査は胎児の胎盤が出来る前の絨毛を採取して検査するため、行える時期は妊娠13週前後。同じく高い確率で異常が分かりますが、これも流産のリスクがあります。

夫婦でよく話し合って

これらの検査には保険がきかず、お金がかかります。検査費用は病院によって異なりますが、スクリーニング検査をすべて受けたら20~30万、羊水検査・絨毛検査はさらに15万円程かかります。また検査を受ける時期も考えなければなりません。

羊水検査を前提にするのなら初期スクリーニング検査は必須。中期スクリーニング検査の後に羊水検査は受けられません。つまり中期以降の検査の目的は、生まれる赤ちゃんの状態を知り、生まれてすぐに適切な対応ができる準備をすることなのです。

「異常を指摘されたらどうしたいのか」「生まれる赤ちゃんが障害児だとわかったらどうするのか」、夫婦でしっかりと話し合いましょう。時には医師に相談をしながら、夫婦で納得できる形を選択できるといいですね。