昔から漢方薬は万病に効くと言われてきましたが、実は不妊にも効果があることが分かっています。ホルモンバランスの乱れや排卵が正常に行われていないと聞くと「私って病気なんだ」と思う人はきっと多いはず。ですが、正常なホルモンの分泌や排卵は、万全な体調があってこその賜物です。

まずは、漢方薬で体調や体質を整えて「妊娠しやすい身体つくり」から始めてみませんか?

血流の改善

血流と不妊の関係

冷えは万病の元と言われるだけあって、様々な病気の原因になることが分かっていますが、不妊にも大きく影響しています。血流は、全ての臓器に酸素や栄養を運び、不要な老廃物を排せつしてくれる役割をもっていますが、身体の冷えによって血流が悪くなると、身体に十分な栄養が行きわたらないだけでなく、ホルモンや免疫物質の分泌までも影響を及ぼすことが分かっています。

また、実際に冷えが不妊の直接的な原因と言う訳ではありませんが、冷えによる生殖機能の低下は妊娠力の低下にも繋がっています

身体の血流が悪ければ、全ての臓器の末端に置かれている卵巣や子宮の働きが低下していきます。特に、卵子は全ての血管を通じて栄養を受け取っていることから、卵巣や卵管、子宮の血流は大変重要になってきます。卵巣の血流が多いほど卵胞の発育は良くなり、卵管の血流が良いと上質な胚培養の道が作れ、子宮の血流が多いほどスムーズに着床できると言う訳です。

血流改善に良い漢方薬

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

女性特有の疾患に高い効果があると言われており、血液の停滞を解消する効果があります。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

血行不良や貧血に効くだけでなく、月経痛や月経不順にも良いと言われています。

温経湯(うんけいとう)

血液循環をよくして身体全体を温める作用があり、ホルモンのバランスを整える効果も期待できます。

肥満の改善

肥満と不妊の関係

生活習慣がもたらす肥満は、不妊のリスクを大幅に増加させると言われています。 正常な排卵を促す意味でも、太りすぎの女性や痩せすぎの女性は注意が必要です。特に太りすぎの女性は、多嚢胞性卵巣症候群になりやすいと言われ、ホルモンバランスの崩れから無排卵などの排卵障害が起きてしまいます。

また、内臓脂肪が多くなりすぎると、卵胞ホルモンが脂肪の中に蓄積され、排卵の邪魔をすることが明らかになっています。更には、肥満女性は中肉女性と比べると、流産のリスクが2倍も高いことが分かっています。肥満度は、BMIで確認することができます。体重を身長で割る計算をして18.5から25は正常ですが、25以上は肥満の域となっています。25以上の女性は妊娠率が下がり、30以上は不妊に加え流産のリスクも更に高くなっています。

肥満に良い漢方薬

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

代謝を高めて便通を促す他、ホルモンバランスを整えて月経痛を和らげる作用もあります。

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

お腹周りなどの脂肪が多い人向けの漢方であり、代謝を促し便秘や肌荒れ改善にも効きます。

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

身体の余分な水分を排出してくれる働きがあるので、むくみが気になるぽっちゃり型の女性に最適です。

血虚体質の改善

血虚体質と不妊の関係

女性によくある体質である血虚とは、血液が不足しており、身体に栄養が行きわたっていない状態を指します。元々血が足りていないことから、月経は遅れがちになったり、時には無月経の月もあります。

また、ようやく月経がきても血液の量が極端に少なかったり、日数も3日程度で終わってしまうことがあります。血の不足は、女性の病気の根本的な原因となり、スムーズな受精や着床にも影響を及ぼしてきます。まずは、偏食などを改めて、血液の消耗を防ぎ、補っていくことが大切です。

血虚体質に良い漢方薬

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

身体の血液や水分の巡りを改善する作用があり、月経不順や貧血、顔色が青白い、疲れやすいなどの症状に良く効きます。

加味帰脾湯(かみきひとう)

偏食がちで食が細い、疲れやすい、風邪を引きやすく下痢になりやすいと言った症状に効果があります。

ストレスの改善

精神的ストレスと不妊の関係

一見、あまり関係の無いように思えますが、妊娠しやすい生活習慣として、ストレスを溜めないことはとても重要です。

これには、脳が生殖ホルモンをコントロールしていることが深く関わっており、脳がストレスを感じることで生殖ホルモンの分泌が後回しにされてしまうと言った理由が挙げられます。

生殖ホルモンがスムーズに分泌されないことで、ホルモンバランスが崩れ、月経周期のリズムが乱れたり排卵期脳にも影響を及ぼしてきます。特に、排卵障害はストレスと密接に関係していることが多く、プレッシャーや極度の緊張なども卵管の蠕動運動を乱して上手く排卵できないといった状況を作ってしますのです。

ストレスに良い漢方薬

抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)

神経症や不眠に良く効き、精神を安定させたり筋肉の緊張を和らげる効果があります。

加味逍遙散(かみしょうようさん)

イライラや落ち込みやすい、ストレスによる便秘や下痢にもよく効きます。

柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)

ストレスによる胃痛や肩こり、緊張性頭痛にも作用が働きます。

漢方薬は医療費控除が利用できる

不妊治療で処方される漢方薬は、保険適用のものが少ないと言われています。その上、毎月頻繁に通院しなければならないなど、治療を続けていく上でかかる費用が悩みの種になっている人もきっと多いのではないでしょうか。

そこで、医療費控除の確定申告を利用して、少しでも治療費を抑える方法をとっていくことをおすすめします。

医療費控除とは、一年間の医療費が10万円を超えた場合、申請をすることで一定の金額の所得控除を受けることができる制度です。

不妊治療などの漢方薬の費用も該当しますので、是非申請してみてはいかがでしょうか。但し、治療に対して支払われた保険金や不妊治療助成金などがおりた場合は、その金額を差し引いて尚且つ医療費が10万円を超えた場合に申請することができます。

最後に

不妊=病気の概念は、今日でサヨナラです。生薬が原料となる漢方薬で、身体の中から体質や体調の改善をはかっていきましょう。その際には、バランスのとれた食事と適度な運動を心がけることも、大切な妊活の一つですよ。