赤ちゃんに多く見られる病気の1つに先天性股関節脱臼があります。

特に、生後数週間から数か月といった新生児期の赤ちゃんは、股関節状態の形成不全が数多く報告されています。

ですがこうした症状は、ママが日頃からしっかりとケアしてあげることで、赤ちゃんの成長とともに改善されていくことも分かっています。

そこで今日は、新生児期に股関節脱臼になりやすい理由やそのチェック方法、家庭でできるケアについても詳しくご紹介いたします。

なぜ、赤ちゃんは股関節脱臼になりやすいのか

新生児に股関節脱臼が多いのには、大人と違って股関節が柔らかく関節もはずれやすいと言った「股関節の不安定さ」が理由の1つに挙げられます。

そもそも股関節とは、お椀の中にボールが入っているような形状の関節であり、骨盤の一部である白蓋と呼ばれるお椀に、大たい骨と呼ばれるボールがしっかりとはまっているのが正常な状態であると言われています。

しかし、股関節脱臼になると、お椀にうまくボールが入っていなかったり、入っていてもグラグラしていたり、お椀の深さが充分でないためうまく入っていない状態になってしまいます。

生後間もない赤ちゃんは、基本的に股を開いて膝を曲げたカエルのような格好をしていますが、このМ字に広がっている両足を無理に真っすぐ伸ばしたり、姿勢を妨げるような抱き方やおむつによって、お椀からボールが外れてしまう環境を作ってしまいます。

本来、赤ちゃんの身体は丸まっているのが普通ですから、その姿勢を無理に伸ばすと股関節に負担がかかるため、脱臼してしまったり脱臼しやすい状態なってしまうのです。

その際、赤ちゃん自身は特に痛みは感じていないと言われていますが、この状態を放置しておくとさまざまな股関節障害を引き起こす恐れがあるので注意が必要です。

また、男の子に比べると女の子の罹患率は約10倍であることも分かっていますが、これには骨盤の形状が男子に比べて女子の方が大きくできているため外れやすいことが原因だと言われています。

赤ちゃの股関節脱臼は3カ月検診で発見されることが多いのですが、これには赤ちゃんがまだ言葉を話せないため自身に脱臼が起きていても訴えることができないことや、患部に痛みがないことから深刻に泣いて教えることもしないことが大きな理由になっているようです。

よって、3カ月検診で太ももの左右のシワの数が異なっているなど、医師による指摘で発見されるケースが多くを占めているようです。

先天性股関節脱臼の特徴

ちなみに、赤ちゃんの股関節脱臼は先天性と名前が付いてはいるものの、およそ9割が後天性のものだと言われています

赤ちゃんがなりやすい股関節脱臼の種類

股関節完全脱臼

股関節完全脱臼とは、股関節が完全に外れてしまった症状を指します。

本来、人間の身体は股関節が簡単に外れないようになっているものですが、赤ちゃんの場合は股関節の形成が未発達であるため、おむつ交換時やママの抱き方によっては股関節に負荷が生じて脱臼症状を起こすことがあります。

股関節亜脱臼

股関節亜脱臼とは、関節が外れかかっている状態を指します。

お椀にボールがぴったりとはまっていないため、股関節は不安定なグラグラな状態になっていますが、こちらはいずれ完全脱臼になる可能性が高いので、医師による適切な処置が必要となってきます。

臼蓋形成不全

臼蓋形成不全とは、発育性股関節形成不全とも呼ばれ、股関節の屋根にあたる部分や大たい骨の骨頭がはまる部分の発育状況がうまく進んでいない場合に起こる股関節障害です。

罹患する原因としては、下肢を伸ばしたままおむつや服を履かせることが習慣であった場合に多く見られ、症状を放置しておくといずれ関節の摩耗や脱臼症状を引き起こす恐れがあります。

赤ちゃん股関節脱臼かどうか、チェックしてみよう

    ①両足を揃えると太もものやお尻のシワが左右非対称である
    ②左右の足の長さが違う
    ③膝を曲げた状態で股を広げると、ポキポキと異音がする
    ④おむつが片足だけ付けにくい
    ⑤股関節の開きが狭くて硬い
    ⑥歩き始めが遅い
    ⑦歩く時足を引きずる

上記のチェック項目で1つでも当てはまった場合は、早期発見のためにも医師の診察を一度受けることをおすすめします。

ママができる日頃のケア

おむつの付け方に注意する

おむつを付ける際は、赤ちゃんが自然な姿勢を取れるよう、股関節の動きを妨げないやり方で行いましょう。

必ず、股を開いて膝を曲げた状態をキープしながらおむつ交換するようにしてください。

抱き方に注意する

赤ちゃんを抱っこする時も、自然な姿勢をキープするように心がけましょう

まるでコアラを抱いているような、丸まった状態の赤ちゃんを優しく包むような感じで抱っこすることが大切です。

くれぐれも、お風呂上がりに身体をまっすぐにしてタオルに巻いたり、就寝時に足を伸ばした状態で毛布に包むなどはしないようにしてください。

よい抱き方・悪い抱き方

家では布オムツを使ってみる

股関節の調整をするためにも、積極的におむつ交換をすると良いそうです。布おむつであれば、頻繁にする必要があるため、股関節予防には大いに役立ちます。

また、布おむつは赤ちゃん自身の感覚神経を養うことやお尻の汗疹予防にも効果的だと言われています。外出先では紙おむつ、自宅で布おむつと使い分けてみることもおすすめです。

抱っこからおんぶに変えてみる

赤ちゃんを抱く時は、自然に足が開く姿勢が取れるおんぶがおすすめです。おんぶは、ママの背中のカーブに股関節を開いた赤ちゃんの身体がぴったりと収まるため、脱臼予防にもつながります。

反対に、抱っこの場合は、赤ちゃんの身体が反りかえるような姿勢になるだけでなく、股関節を閉じた状態になることもあるので注意が必要です。

但し、股関節脱臼予防に配慮された抱っこ紐やスリングであれば、充分に股関節を開くことができる作りになっているため、問題なく使えます。

歩行器は使うのを控える

歩き始めそうな赤ちゃんの補助や転倒防止にと、歩行器を使うママも多いかと思いますが、これは股関節にとって良くない影響を与えてしまいます。

ハイハイからつかまり立ちをする際、赤ちゃんは自分の体重を下半身にかけながらバランスを取っていくことによって、徐々に股関節は発達していきます。

その際に歩行器があると、自分の身体を支えるバランス感覚がうまく掴めず、下半身がぶらぶらな状態になってしまいますので、できるだけ歩行器などの補助器具は使わずに自分の力でハイハイやつかまり立ちができるようにしてあげてください