赤ちゃんは、泣くのが仕事と言われます。お腹が空いたと泣き、おむつが濡れたと泣き、眠たいと泣き、暑い寒いと泣き・・・、泣くことが唯一の、自分の欲求を外へ伝える手段だからです。

ところが、おむつは替えたばかり、空腹でもない、空調も万全、一生懸命あやしても一向に泣きやまず、泣き叫び続けることがあります。広く知られるのが「夜泣き」です。これは夜中、よく寝ているなと思うと突然泣き出し、何をしても泣きやまない、原因不明の泣きです。

夜泣きは大体、昼夜が定まってくる6カ月頃~2歳頃に見られるもので、寝たり起きたりで昼夜の別がない新生児には見られません。

ところが、夕方になるとこの夜泣きとよく似た現象が、新生児にも表れることがあります。

それが「コリック」です。「黄昏泣き」と言えば、聞き覚えのある方も多いかもしれません。

原因不明のコリック

コリックは、もちろん個人差は大きくありますが、生後6週間頃から始まり、3カ月頃に最も多く、5カ月頃にはおさまる傾向にあります。早いと生後3週間頃からコリックが始まる赤ちゃんもいるそうです。

これは夜泣きと同じように、思い当たる不快な要因をすべて取り除いても激しく泣き続ける、原因不明の泣きです。

夕方の忙しい時間に泣き出し、しかもまだ新生児でおんぶしながらの家事というのは難しい時期ですので、母親はイライラしがちになり、それが赤ちゃんに伝わり、コリックに拍車がかかってしまう、ということも考えられます。

コリックの原因は諸説あるようですが、実際のところは不明、というのが定説です。

諸説あるうちの一つは、胃腸の不調です。

消化不良、ガスが溜まっているなど、お腹の不快感がコリックを引き起こすと言われており、食べ物に含まれる一部のタンパク質に対する過敏反応ではないか、との説もあります。

この説を裏付けるようなコリックに関する研究が報告されています。

母乳育児をしている母親に、一週間低アレルゲン食群のみを摂取するという食事制限(牛乳、卵、ピーナッツ、木の実類、小麦、大豆、魚類を控える)をしてもらい、乳児の泣きの頻度の低下を見るというもの。

全体の74%が、コリックでみられる泣きやむずかり泣きが減ったという結果が出たそうです。

しかし、この実験はかなり多くの食事制限をしているので、母乳の出方に影響が出たかもしれません。

あまり実際的ではないので、素人判断で食事制限をするのは危険です。

刺激に対して特に敏感な赤ちゃんや、一度不快なことがあって泣きのスイッチが入ってしまうと、なかなかオフにならず泣き続けてしまう赤ちゃんも、黄昏泣きをしやすいようです。

コリックとうまく付き合うために 3つの対処法

上述のように、コリックはこれ、と断言できる原因がありません。

しかし、原因の完全な排除は無理でも、泣き叫ぶ我が子に何かしてあげたいと思うのが親心。

赤ちゃんの不安な気持ち、不快な気分を少しでも和らげるためには、どうしたらよいのでしょうか。

抱っこする

お母さんの体にぴったりとくっつくように抱っこをします。

新生児はまだ、お母さんと自分は同じものだと思っています。お母さんの声を体から伝わる振動で聞いたり、心音を近くで聞いたり、羊水に浮かんでいるイメージで少し揺らしてみたり、と、胎内にいたときと似たような環境を整えることで、我が子の不安を和らげることができるでしょう。

長時間の抱っこに対応できるよう、またなるべく母子共の体に負担がかからないよう、抱っこひもやスリングなどを上手に使用しましょう。

少し窮屈かな、というくらいに体全体を包み込まれることで、赤ちゃんは安心します。

気を紛れさせる

ビニール袋を手でくしゃくしゃと揉んだ時に鳴る、カサカサという音が好きな赤ちゃんは多いです。

また、関西のピアノのCMを流すと泣いている赤ちゃんが泣きやむ、と話題になったことがありますが、ピアノの音やネコの鳴き声など、普段聞きなれない音を聞かせると、気持ちのスイッチが切り替わるといった事もあるようです。

「赤ちゃんを泣きやませる」というアプリもあるので、コリック対策の試しに使ってみてもいいかもしれません。

環境を変える

ずっと同じ部屋で、ずっと泣き声を聞いていると、相手をしているお母さんやお父さんも参ってしまいます。

散歩に連れ出すなり、車に乗せるなりして環境を変えてみると、子供の気持ちも切り替わります。

まとめ

黄昏時は、別名逢魔が時ともいい、昔から魔物や妖怪に出会いそうな時間帯と考えられていました。

だんだんと暗くなっていくこの時間は、大人でも何となく物悲しいような、寂しいような、不安なような、そんな気持ちを引き起こすのですから、赤ちゃんが同じような気持ちになっていたとしても不思議ではありません。

赤ちゃんは、母親の気持ちに敏感です。母親がイライラしていると、すぐ伝染してしまいます。

大事な赤ちゃんが激しく泣いているのはつらいですし、夕方にしなければならない事がたくさんあるのに、平静でいるのはなかなか困難です。そのため、決まった時間で泣き出すという黄昏泣きの特徴を逆手にとって、それまでに家事を済ませてしまったり、家の中のものを色々と鳴らしてみて、我が子の好きな音を見付

けてみたりと、なるべくストレスに感じずゆったりとした気持ちで取り組めるよう工夫してみましょう。

泣き続いている間は、その時間が永遠のように感じるものですが、少し引いて見てみると、長い長い子育て期間の、ほんの一部です。

ほんの一部なのですから、自分でがんばってみるのもいいですし、逆にほんの一部なのですから、つらければその期間くらい人に頼ったっていいのです。なるべくリラックスして、コリックと付き合っていきましょう。