近年メディアでも話題になっている保育園の待機児童問題はまだまだ解決しそうにありません。日本全国で保育園の数が足りずに、多くの親が職場復帰ができないでいます。

国としては労働人口を確保するためにも保育園をもっと増やしていく必要がありますが、保育士の労働環境、労働条件の改善、保育園を作る際の住民の理解の獲得など、問題は山積しているのが現状です。しかしこれら問題をクリアにしながら認可保育園をもっと増やしていく必要があります。

保育士の問題・・・

保育士の年収は他の職種に比べ、約100万円近く低いと言われています。保育士の平均年収は34.7歳で約310万円と、全職種の平均年収の414万円よりもはるかに少ないのです。 これは、親が支払う保育料の上限が約10万円と決まっていることが背景となっています。この上限があるせいで、保育士の給料の上限も決まっているわけです。

たとえどれだけ子供が好きであったとしても、自分の生活がままならなければ、続けていくことはできません。

また、子どもの命を預かるという責任も重いものです。延長保育や、モンスターペアレントの増加とそれらへの対応など、子供たちと触れ合っている目に見える仕事以外の仕事がどんどん増加しています 。ストレスも多い仕事を低賃金で行わなくてはならない状況が保育士の確保に歯止めをかけてしまっているのです。

一度保育士になって働いても、辞めてしまって戻らない「隠れ保育士」が日本中に数多く存在します。この潜在保育士を賃金体系の見直しや、労働環境の整備などを行いながら掘り起こしていかなくてはならないのです。

保育園設営の問題・・・

認可保育所をいざ作ろうとする団体があるとしても、認可保育所の認可基準は厳しいものです。定員が20人以上の保育園だと、0歳児・1歳児の一人当たりの基準面積が3.3㎡になります。都心でこれだけの広さを確保するのはまず難しいのです。土地を確保するだけでも膨大な費用が発生するにも関わらず、それに見合った対価を得ることができないのが大きな問題となっています。

利用料も上限が決められているので、保育園を作るくらいなら、その場所に駐車場でも作った方がよっぽど収益性が高いのです。そこも踏まえて保育園を作ろうとしても、今度は「子どもの声がうるさい」と言う近隣住民からの保育所新設の反対の声があがったりします。

このような状況が少子化にも関わらず保育園に入れない、という構造を生み出してしまっているのです。そしてこれらの構造の中で、それでも入れる保育園を探さなくてはならない人々は非常にもどかしい思いをしなくてはなりません。

保育園を利用するには、保育園を必要としている理由が必要

保育園は子供を預ける必要がある人は優先的に入園できるシステムになっています。逆にいうと、そこが認められなければいつまでたっても順番が回ってこないことになるのです。項目として挙げられるのは、

  • 就労(フルタイム、パートタイムなど基本的にすべて)
  • 妊娠・出産
  • 保護者の疾病・障害
  • 同居又は長期入院等している親族の介護・看護
  • 災害復旧
  • 求職活動(起業準備等含む)
  • 就学(職業訓練等)
  • 虐待やDVのおそれがあること
  • 育休中、既に保育を利用している子どもがいて継続利用が必要であること
  • その他、上記に類する状態として市町村が認める場合

などです。このいずれかに該当することがまず必要になります。祖父母や親族などの同居人がいる場合は、優先度が変わってきます。特に65歳以下のおばあちゃんと同居していると、その方が疾病等などの理由がない限り、認可保育園に入ることは難しくなります。子供を見ることができる人がいるからです。

以上のようなことが前提としてあり、その上で審査があります。審査の基準や選考方法は住んでいる市町村によって違いますが、指数を決める各ポイントがあります。

お父さんが 週5日以上勤務し、かつ、週40時間以上の就労を常態している場合  50点
お母さんが 週3日以上勤務し、かつ、週20時間以上の就労を常態している場合  25点
50点+25点=75点

このような計算になります。

「どこどこの保育園は、○○点なら入れる」というような感じになるのです。

このポイントをどう高くしていくか、が問題となります。片親であればポイントが高くなるので、書面上の形だけ離婚をする夫婦がいる、というような嘘か本当かわからないような噂話まであるほどです。フルタイム8時間勤務の両親でなければ、認可保育園に入るのは難しいと言われています。

または、両親ともに8時間勤務でなければ、すでに認可外保育園に預けて働いている場合の「+2点の加算」や、ほかに兄弟がいる場合の「+1点の加算」など、加算要素がないと厳しいことになるのです。短時間勤務の方や、専業主婦の方が保育園を探しても、認可保育園にはほとんど入ることができないということになります。

国としては、税金を増やしていくためにも労働人口を増やすようにしていかなくてはならないのですが、そのための保育園を増やしていく作業が後手に回ってしまっており、負のスパイラルになってしまっています。私達としては現状の中で、情報収集やポイントを増やすための工夫などを行いながら保育園を探していくしかないのです。