ヘルパンギーナという病名を聞いたことはありますか?主に5歳以下の子供がかかる夏に流行する病気です。

「夏風邪」の主な原因のひとつとなっています。

風邪というと大人では冬に流行するイメージですが、実は幼児の場合夏も風邪や発熱の流行期となっています。

これは、小さなお子さんは夏の暑さに疲れて病気への抵抗力が落ちてしまう事や、プールや行楽地へお出かけする事も多いため病原に触れる機会が増えてしまうからです。

では、ヘルパンギーナの症状と対処法はどうすればいいのでしょうか?

ヘルパンギーナの流行する時期

ヘルパンギーナは暑い国では通年かかることのある伝染病ですが、温帯の日本では毎年5月下旬頃から感染がみられはじめ、7月頃に流行のピークを迎え、涼しくなる9月から10月頃にはみられなくなります。

夏の時期の風邪には他にも、夏風邪の三大原因といわれる「プール熱」「手足口病」があり、いずれも6月から8月頃をピークとする、主に幼児がかかる発熱する病気です。

1歳代の小さなお子さんがかかる例が最も多く、突然38度以上の高熱が出て数日続きますので、びっくりしてしまう親御さんも多いでしょう。

これらはいずれもアルコール消毒に強い耐性を持っていて、アルコール消毒では予防する事が難しくなっていますので、夏場はアルコール消毒を過信しすぎず、外から帰った際や食事の前にはせっけんを使い15秒以上かけて流水での手洗いと、うがいを十分に行う事をオススメします。

手拭きタオルは他人と共有せず、自分のものを使いましょう。

また、お住まいの地域で大流行しているような場合には、児童館や子育て支援センターといった小さいお子さんがたくさん集まる場所に行くのは避けた方が良いでしょう。

ヘルパンギーナの症状と対処法

ヘルパンギーナに感染すると、2~4日の潜伏期間のあと急に高熱が出ます。
熱は38度~40度とかなり高くなり、熱に伴い倦怠感や関節の痛みが出る場合がありますが、熱はおおよそ2~4日でおさまります。

発熱以外には、喉が赤く痛くなり口の中に1~5mm程の水泡ができます。

水泡はしばらくすると破れて痛みが出ますので、気になって食欲が落ちてしまうお子さんが多くなります。

特に小さなお子さんでは食事が取れなくなった場合脱水の危険もありますので、高熱がでた際には早めに受診して食事についても相談しておくと良いでしょう。

ヘルパンギーナには特効薬はなく、熱や痛みといった辛い症状に対して解熱剤や鎮痛剤といった症状を軽減する対症療法をし、あとはゆっくりと休んで回復させるしかありません。

食事を摂ったほうが回復は早いのですが、痛みがあると難しいことも多いでしょう。

ヘルパンギーナ中の食事は、口内炎がある場合でも食べやすい物と考えると想像しやすいのではないでしょうか。

熱いもの、冷たいもの、酸っぱいもの、辛いものといった刺激のある食べ物は避けて、ぬるくしたポタージュスープやおかゆ、プリン、ババロアなどが向いています。

口内の潰瘍が特にひどい時には柑橘類やイチゴなどの果物の酸味も染みてしまう場合がありますので注意してください。

お子さんが食べられるものを、1回は少量でいいので何度もわけて食べさせてあげましょう。

母乳や哺乳瓶でミルクを飲んでいる小さなお子さんの場合には、乳首を口に入れるのを嫌がることがよくあります。その場合は、スプーンや小皿で飲ませてあげると飲んでくれる事があります。

水分も摂れなくなるような場合、排泄の量や回数が普段よりも減ってしまうような場合には、再度かかりつけ医にご相談ください。

ヘルパンギーナに感染すると、まれに重症化し「無菌性髄膜炎」「急性心筋炎」といった、重い病気に進行してしまう事があります。

発熱と口内の水泡以外に、嘔吐(おうと)がある、頭が痛くなるといった気になる症状があればなるべく早く病院を受診してください。

まだ自分で症状を訴えられない小さい幼児の場合には、「いつもより不機嫌になる」「抱っこを嫌がる」「眠り続けてしまいなかなか起きない」といった症状が目安となります。

保育園や幼稚園にはいつから登園してもいいの?

ヘルパンギーナは、発症期間が過ぎてお子さんが元気になっても2~3週間以上便にウイルスが検出される事が多くなっています。

ですので、完全に園や学校からウイルスを排除する事は難しく、幼稚園や学校を統括する文部科学省によると「本人の全身症状が安定している場合は登校(園)可能」な感染症に位置づけられています。

保育園の場合には厚生労働省「医師の診断を受け保護者が記入する登園届が”望ましい”感染症」となっています。

つまりは、「公の規定はないので、園や学校の判断による」という事です。お子さんが通っている園や学校にヘルパンギーナにかかった際の登園について規定があるか問い合わせましょう。

多くの場合、発熱が終わって1日以上経過し口内も正常に戻り通常の食事がとれる場合には登園可となっているようです。

家族への感染にも気をつけましょう

大人は本来ヘルパンギーナには感染しにくいのですが、感染したお子さんが家庭にいる場合、ご家族のなかで免疫力が下がっている方が感染してしまう場合があります。

年配の方や妊婦さん、疲れやストレスの自覚のある方がご家庭にいる場合には、トイレはふたをしてから流す、頻繁に流水でよく手を洗う、タオル類は家族でも個人ごとにわけるといった対処をオススメします。