ある日突然、我が子が血を吐いていたら、あなたはどうしますか?そんな時でもしっかりと冷静に対応できるよう、赤ちゃんの吐血の原因や対処方法などについて知っておくことが重要です。

どうして赤ちゃんが血を吐くの?

特に外傷がないのに赤ちゃんが吐血した場合、原因が「逆流性食道炎」である可能性が高いです。

通常、胃の中の食べ物は食道と胃のつなぎ目にある筋肉の作用によって食道の方へ逆流しないような仕組みになっています。

しかし乳児期の赤ちゃんはこの筋肉が未熟なため筋肉がうまく働かず、胃の内容物が食道へ逆流してしまう現象がしばしば起こります。例えば授乳のために赤ちゃんを横抱きにしたり、授乳のあとにすぐ寝かせたりすると逆流が起こりやすくなります。この現象自体は決して病気ではありませんので、成長とともに治っていくケースが多いです。

しかし注意しなければならないのは、頻繁に逆流が起きたり、逆流した胃の内容物が食道に長時間留まったりすることで、胃酸が食道の粘膜と接触して炎症を引き起こす恐れがあるのです。そしてそれによって荒れた粘膜から出血をする場合があり、赤ちゃんの嘔吐物の中に血が混ざってしまうのです。これが「逆流性食道炎」による吐血のメカニズムです。

もしこの炎症が悪化してしまうと潰瘍が出来てしまい、これが繰り返されていくと粘膜の組織が硬くなっていきます。そうなると食べ物が食道を通るときにスムーズに流れなくなり、気管支炎や肺炎といった合併症を招いてしまう可能性もあります。

逆流性食道炎を予防するには、授乳後すぐに赤ちゃんを寝かせないようにする、ミルクを粘り気のあるものに変える、げっぷを多めに出させるといった対策を実践すると良いでしょう。

それでも逆流が治まらない場合は、薬の服用によって治療する方法もありますので医師と相談してください。

病気による赤ちゃんの吐血

逆流性食道炎だけでなく、それ以外の疾患によって吐血する場合があります。どういった疾患があるのか、この機会にぜひ覚えておきましょう。

新生児メレナによるもの

これは新生児期の頃になることがある病気で、2つの種類に分けることができます。

仮性メレナ

1つ目は「仮性メレナ」というものです。分娩(ぶんべん)の際にママの血液を赤ちゃんが飲み込んでしまい、吐血や血便によってそれを排泄しようとする現象です。赤ちゃん自身の血液ではありませんので特に治療は必要ありません。

真性メレナ

そして2つ目が「真性メレナ」です。実は誕生したばかりの赤ちゃんは体内のビタミンKが欠乏していることが多いです。ビタミンKには血液を固める作用があるのですが、そのビタミンKの量が不十分だと体のさまざまな部分から出血しやすい状態になってしまうのです。当然、赤ちゃんの消化器も未発達ですから簡単に傷がついて出血をしてしまうことがあります。そういった場合には、血液が逆流して吐血をする可能性があります。

現在では、生まれてすぐに赤ちゃんにビタミンKが含まれたシロップを飲ませることで補充しているので、真性メレナの発症率は減少しています。

先天性凝固因子欠乏症によるもの

先天的に血液を固める因子(凝固因子)が不足し、出血がしても止まらない状態が続いてしまう病気のことです。吐血だけでなく、赤ちゃんの発育に悪影響を与えたり日常生活に困難が生じたりする場合もあるようです。

血小板減少によるもの

血液中の血小板が減少することで出血しやすくなり、吐血することがあります。血も止まりにくくなるので、場合によっては非常に危険な状態に陥ることがあります。

血小板が減少する原因としては、白血病やウイルス感染などが考えられますが原因不明であることも多いようです。

先天的な疾患

先天的に消化性潰瘍や腸管アレルギー、腸重積、細菌性腸炎、壊死性腸炎などの疾患にかかっている場合にも、乳児の吐血が起きることがあります。

以上のような病気は、1カ月検診や乳幼児健診などで発見されることもありますので、検診は忘れずに受けるようにしてくださいね。

吐血しているのを発見したときの対処法

それでは、実際に赤ちゃんが吐血しているのを見つけたら、具体的にどのように行動すれば良いのでしょうか。注意するポイントをまとめてみました。

  1. ステップ1

    赤ちゃんが泣いているか、外傷はあるか、皮膚の色はどうか、意識ははっきりしているかなど、まずは様子をしっかりと確認しましょう。この時点で明らかに異変がある場合はすぐに病院へ行ってください。

  2. ステップ2

    次に、嘔吐物があるかどうか、また吐血量もどのぐらいかを確認しておきます。

  3. ステップ3

    命にかかわるような緊急の事態ではないが、どう対応すれば良いか判断に困った場合には「小児救急電話相談」に電話しましょう。各都道府県の相談窓口にて、医師や看護師から対処方法などのアドバイスが受けられます。ただし、電話相談の受付時間は地域によって違いますので、事前に住んでいる地域の情報を把握しておくことも大切です。

  4. ステップ4

    もし、小児救急電話相談の受付時間がすでに過ぎていたら、「24時間電話健康相談」を活用する方法もあります。これは民間の保険会社が行っている相談サービスで、保険の契約者やその家族が無料で電話相談をすることができます。

  5. ステップ5

    その後の判断でとりあえず様子を見るということになっても、赤ちゃんの状態が急変したらすぐに病院へ連れていきましょう。

こういった注意点をしっかり覚えておいたり、小児救急電話相談(全国同一の短縮番号# 8000)や24時間電話健康相談の電話番号を事前に携帯に登録しておいたりなど、今のうちに準備できることはしておきましょう。いざという時に冷静に対応するためには、何よりも備えが大切ですよね。

そして重要なことは、もし赤ちゃんの症状が軽くても自分で判断せずに専門家に相談をすることです。そうすることで赤ちゃんへの危険性だけでなく、パパやママの不安も取り除けるはずですよ。