何となく気になる、子どもの癖ってありませんか?実はそれは「チック症」かもしれません。「ただの癖だし、そのうち無くなるだろう…」と無関心でいたり正しい対応を取らなかったりすると、子どもの心身の成長を阻害してしまう可能性もあるのです。子どものチック症とどのように向き合えば良いのでしょうか?

チック症の症状とは?

チック症(またはチック障害)とは、無意識のうちに突発的に体の一部を動かしたり、声を発したりすることを繰り返してしまう症状のことです。

1~2割の子どもに発症するとされており、だいたい3、4歳の幼児期から発症が始まって、特に6~11歳の学童期に多く見られます。男女比は3:1と、女子よりも男子の方に多く発症するという傾向があります。

その症状の程度についてもさまざまにあり、発症してから4週間~12カ月未満の間で症状が消失する一過性のものや、3カ月~12カ月以上チックが持続する慢性的なもの、また「トゥレット症候群」と言って1年以上にわたって複数の種類のチックが継続してしまう重い症状のものもあります。

そしてチック症は「運動チック」と「音声チック」の2種類に分けることができます。

運動チックの症状例

  • まばたき
  • 首を振る
  • 口の周りを舐める
  • 顔をしかめる
  • 肩を上げる
  • 飛び跳ねる
  • 物に触る
  • 物を蹴る
  • スキップする

運動チックは主に体の上半身に出ることが多く、すばやい動きを連続して行うことが特徴です。まばたきなどは日常動作のひとつでもあるのであまり目立つことはありませんが、周りの注目を集めやすいチックの場合は「自分は変なんだ」と本人が落ち込んでしまうことがあります。また例えば手にチックが出た場合は字を書くのが難しくなるなど、日常生活に支障が出てしまう可能性もあります。

音声チックの症状例

  • 「アッ」や「ウー」などの発声
  • 鼻を鳴らす
  • せきばらい
  • うなり声
  • つぶやき
  • 奇声
  • 汚い言葉を言う
  • 舌打ち

音声チックは運動チックよりも、チック症であることが周囲に理解されづらいという特徴があります。なぜならせきばらいや舌打ちなどはチック症でなくとも日常的に見られる動作ですので、それが病気であると認識されにくく周囲のイライラや反感を買ってしまうことがあるのです。

あくまで症状例ですので、運動チック・音声チックの症状の現れ方は人それぞれによって違います。

チック症の原因について

どうして子どもがチック症になるのか、実はその原因ははっきりと解明されていませんが、以下のような原因があると考えられています。

生物学的要因

神経伝達物質であるドーパミンやセロトニンなどが過剰に分泌されることでチック症が引き起こされるのではないかとされています。

遺伝的要因

両親からの性格や気質を引き継ぐことでチック症も現れやすくなるという考えがあります。ただし遺伝的な関与がない場合ももちろんありますので、信ぴょう性については何とも言えないようです。

その他

かつては精神的なストレスなどによる心因性の症状であると考えられていましたが、現在ではその説は否定されることが多いです。しかし、親や周りの人たちの対応の仕方などによって本人が傷ついたり、ストレスを感じたりすることで症状が悪化してしまうケースもあります。

チック症は治療できるの?

子どもの場合、チック症の多くは1年以内に消失していく一過性のものですので、特別に精神科などで専門的な治療を受けなくても大きな心配はありません。

ただし、トゥレット症候群などのように重度化した場合や、チックによって学校の授業を妨げてしまう、あるいは日常生活に困難をきたしてしまうといった場合には、薬物療法としてドーパミンの分泌を抑制させる薬を服用します。またケースによっては行動療法や心理療法が用いられることもあるようです。

家族や周囲の対応について

チック症は「動きたくないのに動いてしまう」、「言いたくないのに言ってしまう」、というように本人の意思とは全く関係なく発症してしまうものです。

ですから、「どうしてそんな変な癖があるの?」、「止めなさいと言っているのにどうして止められないの?」などのように本人を責めたりチックを無理やり止めさせたりするような言動は、大きなストレスや不安感を与えてしまうことになり、症状が強まってしまうこともあります。そうならないよう、周囲の人たちの対応について気を付けたいポイントを以下にまとめました。

気にせず見守る

まずは、子どものチックを見つけても強く指摘したり否定したりせず、何も反応しないことが重要です。

特に親は、チックが出るのは育て方やしつけが悪いからだと自分を責めてしまう傾向があり、激しく注意することがあります。しかしチック症は病気のひとつです。そのことをしっかり理解できれば親自身のストレスも軽減され、子どものこともじっくりと見守ることができるのです。

熱中できるものを探してあげる

子どもの気を逸らしたり気分転換になったりするような、何か熱中できるものを探してあげるのも良いでしょう。例えば、どんな時に子どものチックがあまり出ていないかを観察してみてはいかがでしょうか。

学校などとの連携

家族だけでなく、幼稚園や学校、習い事など子どもが関わっている場所へも理解を求めて協力し合い、連携を深めていくことが大切です。子どもの気になる様子や対応の仕方などについて、常に連絡や相談をしていくことは子どもにとって居心地の良い雰囲気をつくることにもつながります。

以上のポイントに気を付けながら子どもと接するようにしましょう。たとえチック症であっても、絶対に子どもの「自信」を失わせないようにすることが大切なのです!