排水溝はこまめに掃除しないと大変なことになります。あのヘドロのようなぬめり、触ったが最後、手を洗ってもとれない強烈な臭い、そしてへばりつく頑固な汚れ。とんでもないことになるその前に、すっきりきれいにしてそのきれいを保とうではありませんか。

排水溝と汚れの種類

排水溝と聞いて思い浮かぶのは、お風呂場、洗面所、洗濯機の排水溝、キッチンのシンク、こんなところでしょうか。それぞれの場所で生じた汚水には水だけでない多様な汚れが含まれています。お風呂場であれば、石鹸液、皮脂、シャンプー、コンディショナー、抜け毛、ふけなどが、洗濯機の排水には洗剤、皮脂、泥砂など多様なものが一緒に流されているのです。

水以外の物質が多ければ多いほど、そしてそれらが長期にわたり、高い温度と湿度を伴う環境で放置されていればいるほど、その排水溝は汚れます。排水溝の主な汚れは以下の4つに分類することができます。

1)抜けた毛髪、毛屑、綿ボコリ
2)白っぽい汚れカス→石けんカス
3)赤味や黄色味を帯びたぬめり汚れ→酵母(ロドトルラ)
4)黒っぽくベトベトしたヘドロ状の汚れ→クロカビ(クラドスポリウム)など

それぞれに適した掃除法その1

1)の毛や綿ボコリですが、こちらは排水溝の中に流してはいけません。これらはパイプ用洗剤でも溶けることはなく、排水管の中で詰まりの原因となります。お風呂場で髪を洗った時の抜け毛、洗面所で髭を剃った時の毛だけでなく、トイレにトイレットペーパー以外の紙や生理用品を流すのも同様の理由で厳禁です。
まず毛や綿ボコリを取り除きましょう。排水溝の汚れはぬめりや悪臭を伴いますので、使い捨てのビニール手袋か、なければポリ袋でも構わないので手にはめて作業することをお勧めします。排水溝の周りやゴミ受け網に引っかかっている毛髪、毛屑、綿ボコリを取り除きます。

それぞれに適した掃除法その2

排水溝の蓋を外し、ゴミ受け網、蓋、排水溝外側及び内側に重曹を万遍なく振りかけます。その上からクエン酸水(酢)をスプレーし発泡させ10分程度放置します。汚れが緩んだところに再度重曹をふりかけ、液体石鹸をつけた古い歯ブラシで擦ります。
最後ぬるま湯または水をかけてよく洗い流します。

重曹は水に溶けると「弱アルカリ性」を示します。これは「皮脂汚れ」などの脂肪酸を分解するのには効果があるのですが、「石鹸カス」やミネラルの汚れには余り効果がありません。これを落とすには、酢・クエン酸などの「酸性」物質で中和させなくてはなりません。

「重曹(炭酸水素ナトリウム)」に「酢(クエン酸)」を加えて発泡させた泡の部分は「炭酸ソーダ(炭酸ナトリウム)」ですが、これは重曹よりアルカリが強く、より強い洗浄効果を発揮します。

おさらいしてみましょう。研磨・クレンザー効果もある「重曹」、重曹だけでは心もとない部分により強力な力を発揮する「炭酸ソーダ」、重曹では落ちづらい種類の汚れに強い「クエン酸」、重曹が加わることで界面活性効果のある「液体石鹸」これらが複合的に働き合って、手の届く範囲の複雑な汚れを落としてくれます。

それぞれに適した掃除法その3

さて、問題は手とブラシの届かない範囲である排水溝の奥です。こちらの汚れは放置しておくと管の中で蓄積されたヘドロ状の汚れが管の壁面を覆ってしまい、汚水が流れにくくなってしまいます。そうならないためには、定期的にパイプの掃除が必要です。集合住宅の場合、定期的に管理者がパイプの清掃を行ってくれる場合が多いのですが、それ以外にも各家庭で使用できるパイプ用洗剤があります。使用頻度の目安は1週間に1度といわれています。

排水溝の周りに液体または粉末タイプのパイプ用洗剤をかけ、液体の場合はそのまま、粉末の場合は少量の水を流しいれます。所定の時間が経ってから、十分な水を流し入れきれいに洗い流します。このパイプ用洗剤はあくまでぬめりやカビを掃除するものですので、プラスチックや木片など固形物のつまりには効果はありません。

なお、塩素系の液体パイプ用洗剤に酸性タイプの製品を混ぜてはいけません。混ぜると有毒な塩素ガスが発生するからです。また塩素系のパイプ用洗剤を使う場合には、必ず換気する必要があり、掃除用手袋を着用しましょう。

まずは汚さない

このようにきれいにした排水溝ですが、しばらくすると元の木阿弥になってしまいがちです。毎週何曜日というように決めて定期的にお掃除するのももちろん良いのですが、できればきれいなままを保って、お掃除は簡単にしたいものです。

ここで大切なのは、「予防」です。抜け毛やゴミをキャッチするネットをゴミ受け網に被せましょう。筆者はお風呂場の排水溝にも台所の流しの排水溝にも、そして洗濯機の排水溝にも、三角コーナーや排水溝用のネットを被せています。抜け毛や小さな食べかす、ゴミなどをもれなくキャッチしてくれるのでお勧めです。家事の終わりや1日の終わりにこのネットを交換するだけで、お手入れも簡単。

そして週1のペースで(因みに筆者宅では水回りにちなんで水曜日がお掃除デーです)、排水溝のお掃除をお勧めします。重曹やお酢(クエン酸)は家中のお掃除に簡単に使える上に、頑固な汚れにもよく効き、しかもエコ。

お勧めお掃除グッズ

使い捨てのビニール手袋は一度使うと必需品になるかもしれません。ラテックス手袋やニトリル手袋があり、薬局、介護用品売り場、台所用品売り場、園芸用品売り場などで100枚入りなどで箱売りしています。ぴったりしたものが良いか余裕があるものが良いかはその人によりますが、我が家では必需品となっています。

重曹とクエン酸は薬局で簡単に手に入ります。重曹は食用かそうでないかによって値段が変わりますが、お掃除用でしたらどちらでも大丈夫です。クエン酸はいわゆるお酢でも構いませんが、こちらも薬局でクエン酸として販売しています。薬局にある無水エタノール、クエン酸、重曹、白色ワセリン、オリーブ油などはお値段もリーズナブルで、お掃除や美容に大活躍するものばかりです。是非うまく生活に取り入れてみてください。