ノロウイルスは感染性胃腸炎を引き起こすウイルスの一種。年間を通して発生しますが、冬季に特に大流行します。

保育園でも登園禁止になる程の感染力の高さと感染経路の多様さに注意が必要です。汚染されたカキ等の二枚貝を食べることで感染するほか、人口の多い施設内での人から人への飛沫感染や、感染した人の糞便や嘔吐物に触れたり、それらが乾燥した塵埃を吸い込むことなどでも感染してしまいます。

二次感染をどう防ぐ?感染力の高いノロウイルス

感染力の高いノロウイルスで注意したいのが、家庭内での二次感染です。

お子さんがノロウイルスにかかり、世話をしていたお母さんも感染してしまい、ひいては家族全員が順番に・・・という話をよく耳にします。

現在ノロウイルスに対する抗ウイルス剤がないため基本的に治療は対症療法となり、とにかく体からウイルスを出してしまうしかありません。小さなお子さんや高齢の方への感染は、脱水症状や体力の消耗が心配されます。

そんなノロウイルスの対処で1番大変なのが、嘔吐物の処理ではないでしょうか。衣類やまくら、布団、シーツ等についてしまった嘔吐物は、乾くとウイルスが空気中に漂って、それを吸い込んでしまうと感染の原因に。素早く適切に処理することが大切です。

ノロウイルスにはアルコール系の消毒が効かないという情報は、近年ニュースやインターネットでも多く取り上げられています。

厚生労働省のノロウイルス対策の中でも、ノロウイルスを死滅させるには「85度以上の熱湯に1分間つける」「次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)の使用」という方法が挙げられています。その2つの方法、実際にはどのように行えばいいのでしょうか。

消毒液を作って活用しよう

市販されている塩素系漂白剤には、次亜塩素酸ナトリウムが5%含まれています。これを使用目的に合わせて水で薄めて作る消毒液が掃除、洗濯に大活躍します。

塩素系漂白剤は衣類用、キッチン用どちらを使用してもかまいません

しかし、市販されている衣類用の漂白剤で「酸素系漂白剤」と表示されているものがありますが、そちらには次亜塩素酸ナトリウムは含まれていません。消毒液を作る際には表示をよく読み注意してください

基本的な作り方

用意するのは500mlのペットボトル・家庭用の塩素系漂白剤・金属製でないじょうご・使い捨てのビニール手袋です。

ペットボトルはよく洗ったものを使用してください。また、換気をしっかりと行う、肌や衣服に漂白剤が飛ばないようにする等、漂白剤を扱うことによる事故を起こさないようご注意ください。

  1. Step1

    500mlのペットボトルに、水を少し入れる。

  2. Step2

    じょうごなどを使ってこぼさないように濃度に合わせた塩素系漂白剤を入れる。

  3. Step3

    水をペットボトルいっぱいに入れ、フタをしっかりと閉め、よく振る。

これで完成です。この作り方を基本に用途に合わせて漂白剤の濃度を変えて使用します。

消毒液ができたら・・いろいろな場面での活用方法

基本的に嘔吐物の処理や掃除をするときには、換気やビニール手袋、マスクは徹底しましょう。また、処理をする人以外は部屋から出るなど、嘔吐物に近づかないようにしてください。

嘔吐物を直接片付ける場合

嘔吐物を片付けるときには50倍の消毒液を使います。ペーパータオルや新聞紙などで、嘔吐物が広がらないように外側から内側に向かって拭き取ります。拭き取りに使ったペーパー類はすぐにビニール袋に入れ、消毒液を流し込み汚染物にしみ込ませます。

さらに嘔吐物が付着していた床なども、250倍の消毒液をペーパーにしみ込ませ、浸すように拭いていきます。約10分後、水拭きをして完了です。

トイレの除菌をする場合

トイレ掃除には、250倍の消毒液を使います

トイレは便座だけでなくドアノブ、水洗レバーなどノロウイルスが付着する可能性のある部分が多いので、気になるところは常に除菌を心がけましょう。

消毒液をペーパータオルか布にしみ込ませて拭くか、スプレー容器に詰め替えて便座やドアノブに吹きかけ、10分ほどおいてから水で湿らせた布で拭き取ります。金属類が劣化する恐れがありますので、拭き取るのを忘れないようにしてください。

消毒洗濯で身につける衣類もしっかり除菌!

あらかじめ注意しておきたいのが、塩素系漂白剤を使用することによる衣類の脱色です。すべての衣類とは限りませんが、やはり高い確率で色柄ものなどは脱色してしまうことを覚悟しておく必要があります。

あくまで優先するべきはノロウイルスの殺菌になりますので、色落ちしてもノロウイルスが付着しているよりはマシ、と前向きに考えましょう。

消毒洗濯の手順

  1. Step1

    洗う物が少なければバケツやタライでOK。水を溜めて、塩素系漂白剤を入れ250倍希釈にします。10リットルの水に対して約40ccの塩素系漂白剤を入れます。塩素系漂白剤のキャップで約2杯分ほど。水の量が半分の5リットルなら20cc(キャップ約1杯)です。

    洗濯物が多い場合は洗濯機を使用します。こちらもバケツと同様に水を溜めて、塩素系漂白剤の濃度を250倍に薄めて消毒します。10リットルの水に対して漂白剤が40ccなので、水が50リットルの場合は漂白剤200cc(キャップ約10杯)、ということになります。

  2. Step2

    消毒液の中に衣類を入れます。必ず消毒液を作ってから衣類を入れるようにしてください。先に衣類を入れてしまうと、濃度の濃い塩素系漂白剤が付着してしまい、ひどく脱色する恐れがあります。

  3. Step3

    そのまま30分ほどつけおきします。

  4. Step4

    消毒剤を捨てて、洗濯洗剤を入れ通常の洗濯をします。すすぎの回数は2回以上、念入りに行いましょう。

※この方法は、手洗い可能な下着やパジャマ、タオル、シーツなどの洗濯方法です。おしゃれ着などの手洗い不可のものは、消毒剤を捨てたあとに中性洗剤でつけおき洗いをしてください。

家庭で洗濯ができない物

カーペットや布団、枕など、家では洗濯できないものは、85度以上の熱で殺菌する方法があります。

そこで便利なのがアイロンがけです。

アイロンの温度は一般的に、中温度の設定で120~160度、高温度の設定では160~200度なので、85度を軽くクリアしています。

まずはしっかりと嘔吐物を拭き取ったあと、嘔吐物の付着していた部分を霧吹きで湿らせます。水分を与えることで焦げを防止し、熱伝導率も上がります。そして、布団から少し浮かせてアイロンのスチームを1分以上あてます。

このときスチームは全開にしてください

アイロンを直接あてていなくても、高温によって生地の傷みや焦げつきが起きてしまう場合があります。こちらもあくまで除菌を優先にご紹介していますので、実践する際はご注意ください。

汚させないための対策

服などは捨てることは可能ですが、寝ている時に布団へ嘔吐してしまうと上記なような対策をしようとしても難しいですよね。

そんな時は使い捨てのペットシーツを敷いておくと、そのまま捨てられるので便利です。

消耗品は早めの用意が吉

家庭内でのノロウイルスの二次感染を防ぐ、具体的な掃除や洗濯の方法をご紹介してきました。

どの場面でも、掃除後の手洗いは念入りに行い、使用したビニール手袋の表面に触れないようにしてください。また、いつ家族や自分がノロウイルスに感染しても対応できるように、流行前に塩素系漂白剤や使い捨てのビニール手袋などの消耗品は多めに用意しておきたいですね。

少しでもウイルスとの接触を減らし、ウイルスから家族を守りましょう。