赤ちゃんを育てるママの4人に1人がなると言われる乳腺炎。その痛みを経験したママの中には「お産よりも痛かった!」なんて声も多く聞かれます。赤ちゃんのためにも、乳腺炎で母乳育児を断念することのないよう、日頃からおっぱいをケアしていきましょう。

今日は、そんな母乳育児に励むママの敵「乳腺炎」の原因や対処法について調べてみました。

そもそも乳腺炎ってどんな病気なの

乳腺炎

乳腺炎とは、乳房にある乳腺が炎症することによって起きる病気であり、しこりによる痛みや発熱、酷い時には膿が出るなどの症状が現れてきます。

発症する人のほとんどは、生後一か月以降の赤ちゃんを持つママであり、妊婦全体のおよそ4分の1の割合で罹患すると言われています。

授乳中の乳腺炎は、大きく分けて以下のように分類されます。

うっ滞性乳腺炎

細菌感染には至っていないが、乳腺に母乳が詰まることで炎症を起こしている状態。

感染性乳腺炎

細菌感染により発熱・悪寒など強い症状がみられる状態。発症から12~24時間以内に状態が改善しない場合は、こちらの可能性があります。

※注記:乳腺炎は、病態の進行(慢性・急性)・反復性の有無・乳汁ナトリウム濃度などによって、さらに細かく分類されます。また、妊娠・授乳とは関係なく罹患します。

参考文献 WHO(2000):Dept. of Child and Adolescent Health and Development. Mastitis:case and management.WHO,pp1-5

乳腺炎の主な症状

乳腺炎の主な症状

乳腺炎は、「なんとなく乳房がチクチクする」と言った感覚が、最初に気付くきっかけだと言われています。また、乳房の一部にしこりができていたり、乳頭に白い塊(白斑)ができるなどといった症状が現れてきます。

しこり

乳腺炎のしこりは、固さはあるものの弾力があり触ると動きやすく、その境界がしっかりしているといった特徴があります。

乳がんのしこりは、どの方向から押しても固くゴリゴリとしており、押しても痛くないのが特徴ですので、見分けることはさほど難しくはありません。

白斑

白斑は、乳頭にできるニキビのようなものであり、これが母乳の出口を詰まらせて乳腺炎に発展させてしまうといったトラブルを引き起こすことがあります。

乳房の痛み

ちなみに、乳房にしこりや白斑ができた程度で、痛みもチクチクするくらいであれば、軽度の乳腺炎である可能性は高く迅速に適切な処置をすることで症状は改善に向かいます。

しかし、この症状を放置しておくと、しこりは熱を持つようになり、乳房は腫れて固くなりズキズキとした痛みが発生してきます。そうなると、腕を動かしたり歩くだけで乳房に鈍痛が走ったり、赤ちゃんを抱っこしたり授乳する際などには刺すような激しい痛みを感じます。

その他

乳房の痛み以外にも、寒気や頭痛、関節痛に倦怠感が現れたり、乳白色ではない黄色がかった母乳が出てくる場合もあります。

乳腺炎になる主な原因

乳腺炎になる原因には、生活習慣や育児環境、ママの体質やストレスなど、さまざまな要因が関係していると言われています。

母乳に含まれる脂肪や糖分は、母乳をドロドロとした状態にしたり、母乳を作っている基底部を詰まらせる危険があります。

普段から胃腸の調子が悪い人は乳腺炎になる可能性が高いので、消化の悪いものや脂肪や糖分には十分に注意した食事が大切です。

また、きつい下着による胸部圧迫や姿勢の悪さ、運動不足からくる肩こりや冷えなど、生活習慣から起こる血行不良も乳腺炎の原因として深く関わっていると言われています。冷えは万病の元とも言われるように、血流が悪いと全ての臓器や器官に悪影響を与えるので、日頃から身体を温めることを心がけていきましょう。

さらには、母乳がたくさん出るのに赤ちゃんが上手に吸ってくれない、母乳の飲み残しが乳房に残ったままである、赤ちゃんの母乳の飲み方のバランスが偏っている、授乳間隔が一定していない、おっぱいを飲む時の姿勢が悪いことも原因になると言われています。授乳する間隔が3時間以上空くようになった時期などは、授乳するか搾乳して乳腺に母乳を溜めないようにしましょう。

また、ママがもともと乳腺が細く詰まりやすい体質だったり、育児疲れのストレスによる体力や免疫力の低下も大きな要因です。

ストレスは、ママの体力や免疫力を低下させ、授乳にも影響しますので、心身ともにリラックスできるよう家族にも気軽にお手伝いを頼んだりして、なるたけストレスを溜めないようにしていきましょう。

参考文献 http://www.bfmed.org/Media/Files/Protocols/2014_Updated_Mastitis6.30.14.pdf

授乳中、乳腺炎になってしまった時の対処法

乳腺炎になりかけの場合

まずは、赤ちゃんにおっぱいを吸ってもらい、しこりを解消させることが一番の解決策です。その際、しこりの部分を軽く押して角度や姿勢を変えながら、まんべんなくおっぱいを与えるようにしましょう。そして、詰まりを取るためにも、赤ちゃんが飲み残した母乳を搾乳機などで全て出し切ることが大切です。

また、かかりつけの産婦人科で定期的に乳房マッサージをしてもらうことや、ぬるめの湯船でじっくりと身体を温めることもしこりの解消には最適です。入浴の際は、乳房全体を優しくマッサージすると、より効果的だと言われています。

【参考動画】乳腺炎を予防するための乳房マッサージのやり方

しこりや白斑があり、赤く腫れて痛い場合

軽度の赤みや痛みには、乳房を冷やしてあげると良いでしょう

その際、脇の下(リンパ)にタオルでくるんだ保冷剤を入れてあげると、痛みが和らいできます。赤みや痛みが治まったら、乳房マッサージを再開して溜まった母乳を出すようにしてください。

また、乳房にしこりや白斑があり、痛みが生じている場合は、乳房マッサージを受けて詰まりを解消させてから、溜まっている母乳を出し切ることが大切です。

ただし、乳房が赤く腫れている状態での授乳や搾乳は、返って症状を悪化させる危険もあるので、医師や助産師に相談することをおすすめします

熱による激しい痛みがある場合

乳房全体が腫れてカチカチになってしまうような本格的な乳腺炎になった場合は、病院で消炎鎮痛剤や抗生物質を処方してもらう治療法になります。

熱による痛みが続く場合は、脇の下にタオルでくるんだ保冷剤を当てて冷やしてあげることで痛みは緩和してきます。

発熱した場合は、乳房マッサージや入浴はストップして、すぐに病院へ行きましょう

本来、病院で抗生物質などの薬が処方されたら、授乳を一時ストップして治療に専念する必要がありますが、薬の成分によっては授乳を止めなくても良い場合もあるので、その都度医師に相談するようにしていきましょう。

まとめ

ネット上では自分で治す方法を紹介されているサイトがありますが、軽い乳腺炎の症状がみられたら、自分で対処せず24時間以内に初診されることをおすすめいたします。重症化すると乳線外科手術が必要になるケースもありますよ。