これまでの妊娠経過が順調でも、健診時の一言で不安になることがあります。その一つが「逆子」。一般的に、逆子だと難産、帝王切開を避けられないという認識が多いようです。できれば経腟分娩で生みたいと考える方のために、逆子を治す方法を探ってみました。

よく耳にする逆子って何?

「逆子」(さかご)とは、子宮の中で赤ちゃんが頭を上にしている状態のこと。そのまま出産に至ると分娩の途中で赤ちゃんの体の一部がひっかかってしまうなど危険が伴います。そのため、万全を期して帝王切開という方法がとられることがあります。とはいえ、妊娠7カ月ごろまでは約30%が逆子だといわれていますが、臨月に入っても逆子のままというケースはわずか4%程度。ほとんどの人が出産までに治っています。

どうして逆子になるの?

妊娠5カ月あたりから胎動として感じられるように、お腹の赤の赤ちゃんは動いています。おしゃぶりをしたり寝返りを打ったり。お腹の空間に余裕がある初期のころは、まるで宇宙遊泳しているかのように自由自在に動いているといわれています。出産直前になり、お腹が窮屈になってきても頭を上にしている状態が逆子です。

逆子となる理由は明らかなものもありますが、不明なものも少なくありません。赤ちゃんは自分の快適な姿勢をとることができると考えられますので、逆子でいるのはその姿勢が心地よいからと考えることができます。

逆子となる理由として、子宮筋腫や卵巣嚢腫、子宮の奇形、胎盤が子宮口に近い前置胎盤気味、羊水過多、多胎妊娠があげられます。へその緒が赤ちゃんに巻きついて逆子となるケースもあります。

逆子の種類と出産方法

前述の通り、ほとんどの人は出産までに逆子が治ります。また、予定日が近づいて逆子が治らなくても、帝王切開に必ずしもなるというわけではありません。逆子を理由とする帝王切開は、胎児や母体の状態を考えて総合的に判断されます。

逆子の種類

逆子は胎児のポーズによって呼び名が変わります。

単殿位

赤ちゃんのお尻が一番子宮口に近く、両足が上がった状態。

全複殿位

赤ちゃんが体育座りをしているようなポーズ。

不全殿位

全複殿位の片足だけが頭の方にある体位。

全膝位

両膝が下にあり、立膝をしているようなポーズ。

不全膝位

片方の膝が下にある状態。

横位

赤ちゃんがお腹の中で横に寝ている状態。膝が曲がっていることもある。

全足位

両方の足が子宮口近い体位。

不全足位

片方の足だけが下にある状態。

出産方法

経腟分娩では、下にある部分、子宮口に近い方から先に出てきます。逆子で経腟分娩をする場合は、通常の頭位分娩に比べ長時間を要し死亡率も高くなっています。臍帯脱出や臍帯圧迫が起こることが多く、低酸素症が起きやすくなります。逆子の場合は分娩中に胎児の状態が悪くなっても、そこから帝王切開に切り替えることが難しい場合もあります。そのため、安全を最優先に考えて経腟分娩を試みることなく、予定帝王切開という方法がとられることもあります

単殿位は子宮口が十分に開けば経腟分娩も可能です。全複殿位もおしりから分娩が進めば経腟分娩をすることもできます。足位はもっとも予後が悪いことが多く、ほとんどの場合帝王切開になります。横位での経腟分娩も困難です。

逆子の治し方

赤ちゃんに積極的な刺激を与えることで、逆子が治ることが期待できます。赤ちゃんの姿勢が決まってくる28週以降からすることができます。ただし、主治医の指示が出ている場合のみ実施してください。

逆子体操

骨盤を高く持ち上げることで、赤ちゃんの頭が骨盤から抜け出し回転することを期待する体操です。

胸膝位

両手を伸ばし胸と膝を床につけ、お尻を高く上げた状態にします。この状態を10~15分くらい続け、頭を上げずそのまま横向きに寝ます。そのまま眠っても大丈夫なので、夜寝る前にするとよいでしょう。

仰臥位

ブリッジ法ともいわれる方法で、仰向けになりクッションなどを挟んでお尻が約30cm上がるようにします。10分くらい一日2回を目安に続けます。終わったら頭を上げずに横になりましょう。

もし逆子体操を指示されている場合は腰痛になる可能性もありますので、正しいやり方を動画で確認してみてください

外回転術

お腹の外から腹壁を通して赤ちゃんを動かす方法です。施術者の両手を用いて慎重に行います。成功率は高いものの早期胎盤剥離などの危険が伴い、熟練した技術が必要です。少なからず危険が伴うことから最近は試みられることが少なくなってきています。素人が見様見真似でやってはいけません。

お灸・針

古くから伝わるお灸や針にも逆子を治す効果が期待できます。ツボを刺激することで子宮周辺の血行を良くします。血行が良くなると赤ちゃんの動きは活発になりますので、動いた際に回転することが期待できるのです。

シムズの姿勢

赤ちゃんの背中が上に来る方を向いて横向きになり、上にくる足を曲げ床に着けて寝ます。赤ちゃんの向きは一人一人違うので、エコーなどで確認してもらってください。この姿勢で眠るのがおすすめです。

身体を温める

お母さんの身体が冷えていると、赤ちゃんも動きにくくなってしまいます。お部屋を暖かくし、積極的に体を温めてください。暑い夏でもエアコンは想像以上に体を冷やしますので、直接身体にあてない、設定温度を高めにするなど十分注意して使用しましょう。身体を温める食品を積極的にとるのも良いですね。長時間の入浴はのぼせてしまう可能性がありますので、程々を心がけましょう。

赤ちゃんを刺激する

お腹の中の赤ちゃんは音が聞こえていますので、それを利用して赤ちゃんを刺激することで赤ちゃんが活発に動くことが期待できます。話しかけると胎動が活発になる経験をした人もいると思います。お母さんお父さんの声をたくさん聞かせてあげてください。好きな音楽をかけてみるのもよいでしょう。お母さんがリラックスすることはお腹を緩ませ、赤ちゃんが動きやすい環境を作ってくれます。

胎児がくるりと回り難くなる対策法

【追記2017.5.8】

一般的に臨月に入ればスペースがなくなり回り難くなりますが、せっかく逆子を治してもクルクルと回ってしまい困っているという妊婦さんもいると思います。

小さめの胎児に多いのですが、そのような時は『腹帯』を付けてみて下さい。回りにくくなります!24時間付けていても大丈夫なので、巻き方に不安がある方は、健診時に教えてもらってくださいね。

まとめ

健診で逆子といわれると急に不安になってしまうかもしれません。でも、逆子だったとしても元気な赤ちゃんにちゃんと会えるので、必要以上に心配しないでください。逆子を絶対治そうと力が入ってしまうと赤ちゃんはますます動きにくい環境になりますので、逆子治しは赤ちゃんとのコミュニケーションの一つと捉え、楽しんでやってみてくださいね。