赤ちゃんが欲しいと望んでいる女性にとって、妊娠したかどうかがわかる時期はとてもナーバスになりますよね。ちょっとした腹痛でも「今回もダメだったか……」とか「流れちゃったんじゃ?」とハラハラするでしょう。

また妊娠が確定しても、赤ちゃんの体の器官が出来上がる4カ月(15週)までの妊娠初期では、気を付けたいトラブルがいくつかあります。よくある腹痛、あぶない腹痛について知っておき、ちょっとでも違和感を感じれば病院で診てもらうようにしましょう。

~5週: 妊娠初期の腹痛と生理痛との違い

妊娠週数4週目は、妊娠していなければ生理がくる時期に当たります。ベビ待ちの女性にとって大切な時期ですね。腹痛があっても、生理にともなう腹痛なのか、妊娠の兆候なのか判断がつきにくいものです。

生理にともなう腹痛の原因は、子宮の収縮が大半を占めます。妊娠しなかった場合、子宮に用意されていた赤ちゃん用のベッドを体外に排出しなければなりません。その排出こそが生理時の出血です。排出のためには、子宮を収縮させる必要があり、それを引き起こす物質「プロスタグランジン」が分泌されるのです。このプロスタグランジンの分泌量には個人差があり、過剰に分泌されると子宮の収縮も強くなり、結果的に腹痛を感じるのです。

妊娠している場合、赤ちゃんを育てるために子宮が大きくなろうとします。腹痛を感じたり、お腹が引っ張られるように感じる女性もいます。血流量を増加させて羊水を作ったり、妊娠を持続させるためのホルモン分泌が劇的に変化するため、お腹の変化以外にも体に変化があらわれます。微熱、全身がだるい、おしりの骨が痛い、顔がかゆいなど、妊娠初期にはさまざまなトラブルを感じる人がいます。

妊娠初期の「あぶない腹痛」とトラブル

妊娠の一つの目安となるのが、胎児心拍の確認です。通常、6週ごろになると赤ちゃんの心臓の動きが超音波検査によって確認できます。しかし、特に気になるのが妊娠5週の頃。妊娠検査薬で陽性反応が出る頃ですが、病院に行っても胎児心拍は確認できないことがほとんどでしょう。ちゃんと妊娠してくれているのか、長距離通勤や残業は赤ちゃんに影響しないのか、化学流産してしまっていないか、様々な不安を感じるものです。

こんなときに腹痛を感じることがあると、「あぶない腹痛」なのかどうか不安になりますよね。妊娠初期の腹痛とその原因となるトラブルについて詳しく見てみましょう。

妊娠初期の代表的なトラブル:切迫流産

妊娠初期の代表的なトラブルと言えば、切迫流産ではないでしょうか。「流産」とあるのでこわく感じるかもしれませんが、安静に過ごせば多くの場合は妊娠を継続できます。

切迫流産とは、腹痛やおなかの張り、出血といった流産の兆候がある状態のことをいいます。切迫流産の原因は全てがわかっているわけではありません。昔は子宮内の様子がよくわからなかったため、流産になるか、妊娠が継続していくかの区別がつかなかったので、流産の兆候があればどちらも同じように対応をしていました。今は超音波検査が可能になったので、早い時期から胎児心拍が確認できます。そして、胎児心拍が確認できれば、多少の腹痛や出血があっても約8割は妊娠が継続していくことがわかってきています。

受精卵が子宮に着床するときに出血する着床出血や、子宮の壁と赤ちゃんを包む卵膜との間に血の塊ができる絨毛膜下血腫というトラブルがある場合などに、切迫流産とされることがあります。ただこれらはそもそも流産の兆候ではないため、流産につながることは少ないでしょう。

妊娠の継続がむずかしいトラブル: 子宮外妊娠・胞状奇胎

中には、妊娠の継続がむずかしいトラブルもあります。代表的なのが、異所性妊娠(子宮外妊娠)と、胞状奇胎です。

異所性妊娠とは、受精卵が子宮ではなくて卵管、卵巣、腹膜などに着床してしまうことです。ほとんどが卵管での着床です。妊娠検査薬で陽性が出るのに、病院で胎のうがなかなか見えない、心拍も確認されないという場合に疑われます。ほうっておくと7~9週ごろに激痛や大出血を伴う卵管破裂を起こしてしまうこともあります。ただ、最近は症状が出る前に発見できるようになり、その後の卵管の温存もできるようになってきたので、次回の妊娠に影響することは少なくなりました。

胞状奇胎というトラブルは、妊娠について興味を持たなければ聞き慣れない言葉ではないでしょうか。妊娠すると、赤ちゃんに栄養を与えるために絨毛という組織が胎盤をつくります。この絨毛が異常に増殖してしまって胎児を吸収してしまう病気が、胞状奇胎です。

染色体異常の一種で、1000人に1~2人の割合で起こります。異所性妊娠と同様、胎のうや心拍が確認できない場合に疑われ、超音波画像をよく観察するとぶどうの房のような画像が見られます。がんになる恐れもあるので、なるべく早く子宮内容除去術をします。術後数か月は避妊が必要となります。

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妊娠初期のつわり・悪阻

妊娠初期といえば、つわりも代表的なトラブルです。どのようなつわりの症状が起こるのかは個人差が大きく、朝気分が悪い、においに敏感、特定の食べ物が食べたくなるという軽いものもあれば、何も食べられなくなり、吐き気やおう吐を繰り返す人もいます。

通常はピークは8~9週ごろで、15週あたりにはおさまってくる人が多いです。ただし、症状がひどくなって脱水症状や栄養障害を起こしてしまうと、つわりではなく妊娠悪阻(おそ)といい、点滴などが必要になります。「誰もが経験してきたつわりだから」と我慢せずに、医師に相談するようにしましょう。

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