妊娠前までは規則正しく来ていた生理が、出産をきっかけに不順になる人は多いと言います。
遅れて来たかと思ったら、今度は1週間後に来るなんて「私、体調が悪いのかしら…」と不安になるのも当然ですよね。
しかし、産後の生理不順にはいくつかの要因があり、それを理解し対処していくことで症状を改善させることはできます。
そこで今日は、出産後に起きる生理不順の原因や自分でできる対処法について、詳しくまとめてみました。
出産後はなぜ生理不順になるのか
ホルモンバランスが影響
女性の身体は妊娠と出産によりホルモンバランスが大きく変動することが分かっています。
特に産後は、プロラクチンと言うホルモンが多く分泌されますが、これは母乳の出を良くする働きがある一方で排卵を抑制する作用もあるため、授乳期間は無排卵月経になっていることが多いのです。
ちなみに、プロラクチンは断乳すると分泌量が減るため、卒乳後数か月で生理周期は正常に戻ってきます。
母乳を与えてる期間や頻度が影響
一般的に、卒乳後2、3か月で生理は始まりますが、中には1年近く再開しないと言う人もいます。
その理由として、赤ちゃんに母乳を与えている時期が長かったり、1日に授乳する回数が5回以上であったなど、期間や頻度によっても影響すると言われています。
子宮の回復が影響
子宮は産後にゆっくりと時間をかけて元の大きさに収縮していきます。
目安として、半年くらいはかかるため、その間は生理も不順になることが多いと言われています。
ママのストレスが影響
慣れない育児と家事の両立に加え、授乳による睡眠不足など、体力の回復していない産後の女性は肉体的にも精神的にも多くの負荷がかかっています。
ストレスが蓄積されていくと、脳の中にある視床下部や脳下垂体の影響により、生理に必要な女性ホルモン(エストロゲン、黄体ホルモン)が正常に分泌されなくなる場合があります。
冷えや貧血が影響
母乳はお母さんの血液とも言われており、授乳中は鉄分不足による貧血になる恐れがあります。
また、産後は運動不足になることも多く、血流も悪くなることで冷え性になる人も多くいます。
貧血や血行不良により身体が冷えると自律神経がうまく作用しなくなるため、ホルモンバランスが崩れて生理周期を乱してしまうのです。
過度な産後ダイエットの影響
妊娠中に増えた体重を元に戻そうとするあまり、過度なダイエットをすると栄養不足に陥ることがあります。
授乳中などの大切な時期に、カロリー不足の偏った食生活をしていると、生殖機能にまで栄養が行きわたらずに無月経排卵を引き起こす可能性があります。
自分でできる対処法
基礎体温をつけよう
産後すぐの生理は無排卵月経であることが多いと言われています。
無排卵月経の症状は、経血が少量であったり、1か月に2回生理が来たり、間隔が異常に長くなるなどです。
しっかりと確認するためにも、朝起きたら婦人体温計で体温をはかりグラフに付けることをおすすめします。
今はスマホなどで、体温を打ち込むだけで排卵日が分かるアプリも多く出ているので活用して行きましょう。
質の良い睡眠を取る
産後すぐは授乳の関係もあり、熟睡できる時間は少ないとは思いますが、短時間でも質の良い睡眠ができるとホルモンバランスも向上していきます。
済ませたい家事が残っていても、赤ちゃんと一緒に睡眠を取るようにして、母体の休息を最優先するようにしてください。
栄養バランスに優れた食事をしよう
子宮の回復をスムーズに促すためには、栄養のあるバランスの取れた食事をすることが大切です。
特に産後に不足しがちな鉄分やカルシウムを補うためにも、牛肉やレバーなどの肉類、小松菜やホウレン草などの緑黄色野菜、乳製品や海藻類、魚介類を摂りましょう。
また、スムーズな女性ホルモンの分泌を促すためにも、大豆製品やオリゴ糖を積極的に摂ると、正常な生理周期の促進に効果があります。
ストレスを溜めない
たかがストレスと侮るなかれ。
ストレスが蓄積されると、イライラや落ち込みなど気分がすぐれないだけでなく、女性ホルモンの分泌に乱れが生じて正常な排卵が阻止されることがあります。
家事や育児を全て自分一人で担うことは止めて、夫や祖父母など周囲の人に助けを求めましょう。
たまには赤ちゃんを預けて買い物に行くだけでも、気分がリフレッシュしますよ。
気長に待つ
産後から数えて3回目の生理では、9割以上のママに排卵が見られることが分かっています。
例え、最初や2回目に不順であっても、3回目や4回目までに周期が戻ってこれば問題はありません。
基礎体温を付けながら気長に待ってみることも時には必要です。
生理不順ではない場合は早めの受診を
産後の出血は、生理不順ではなく不正出血の可能性もあります。
不正出血の原因としては、出産時に剥がれるはずの胎盤や卵膜が残ったため子宮の収縮を妨げている場合や、帝王切開後の子宮の収縮がうまくいかなかった場合などが考えられます。
その他にも、子宮内膜症やホルモンバランスの異常、帝王切開の傷の治りが悪いなどが挙げられます。
長く悪露が続いたり体調不良を感じる場合は、不正出血の恐れがあるので、すぐに産婦人科に受診するようにしましょう。
また、産後の排卵の再開には個人差があるため、授乳中でも排卵のある人は決して少なくはありません。
もし、産後初めての生理が来る前の排卵日に受精していた場合は、生理が来ないまま次の妊娠に突入と言うことになりますので、心当たりがある場合は市販の妊娠検査薬で妊娠の有無を確認することをおすすめします。
最後に、不正出血でもなく妊娠でもないのに、産後1年以上生理が来ない場合は、産婦人科でホルモンバランスを調べることも視野に入れて考えましょう。